◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆          森林環境教育ネットワークメールマガジン                 第 14 号               (平成20年8月1日) ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ( 目 次 )  1 森林体験活動の安全について <1> 「主催者からみた森林体験活動の安全管理」  2 森林環境教育雑感 <4> 〜これもまた環境を考えるアプローチの1つ?〜  3 国有林の「緑の回廊」について  4 <林野庁のホームページから> 「夏休みはレクリエーションの森へ」  5 <国民の森林「国有林」のホームページから> 「美しい森林づくりのモデル的な取組」  6 <イベント情報>「森林センターのイベント予定」(知床森林センター・高尾森林センター)  ☆ 事務局から 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  《 メールマガジン・バックナンバー http://www.shinrinreku.jp/feenet/mlbk/index.php 》  《 イベント情報の登録・閲覧 http://www.shinrinreku.jp/feenet/einfo/ 》 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 森林体験活動の安全について <1> 「主催者からみた森林体験活動の安全管理」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  自然体験活動における安全管理については,目指すところは参加者等の安全な活動を確保 することであっても,それに対する考え方やアプローチの仕方等はその体験活動に携わる立 場や関係する分野等によって異なってきます。また一方,そうしたいろいろな立場や分野等 から体験活動の安全管理を考えてみることは,安全な活動を確保する上で重要であり,意義 深いものであると考えられます。  林野庁監修の「森林体験活動指導者のための安全管理ハンドブック」((社)全国森林レク リエーション協会発行)から,森林体験活動における「主催者」,「指導者」,「教育」, 「保険」及び「判例」のそれぞれの立場や分野からみた安全管理について,それぞれのポイ ントを何回かに分けて概観します。  初回の今回は,「主催者からみた森林体験活動の安全管理」です。 ◆自然体験活動を主催する場合の安全管理について  近年の大人や子どもは体験が不足しており,全くの初心者であるということを前提として 対応しなければなりません。また,スタッフやリーダーなどの指導者側も同じように経験の 少ない者が多いことを前提に対応する必要があります。また,ケガや事故は必ず起きるもの ということを前提にして,ケガや事故が起きた場合の対策をキチンと視野に入れて安全管理 を行うことが大切です。 ◆プログラムの実施と安全の確保について  あまりにも安全意識に過剰になると折角の学ぶ機会を奪うことにもなります。主催者は常 にフィールドや自然の状況,参加者や指導者の行動等を把握しながら,最適なプログラムを 実施するよう心がける必要があります。この場合,事前の周到な準備や経験が必要となりま す。 ◆参加者の安全意識等について  自然体験活動の大きなねらいの一つは,参加者に,自然の中で「自分の身は自分で守る」 という危険予知能力や自己責任の意識を養ってもらうことにあります。そうしたことを繰り 返して意識させることが大切です。 ◆指導者の安全意識等について  指導者には「危険を予知すること」と「危険を避ける判断と行動」の2つ注意義務がある と言われています。危険予知には,そのための意識や知識,技術が必要となります。また, 危険回避のために,撤退や避難するという判断や行動が求められることがあります。現場で の活動中止等の判断については,現場の状況や参加者の年齢・経験等に対応した判断基準を つくるなど,ルール化しておくことも必要です。 ◆指導にかかわる者について  指導のプロ,ボランティアなど,立場の違いにかかわりなく,専門的なトレーニングを受 け,基礎的な知識や技術,救急法等をキチンと身に付けておく必要があります。また,専門 的な知識や技術を身に付けた指導者は,万が一の時のために少なくとも2人は必要です。 ◆事前の説明会等について  子どもを対象とする場合は保護者との信頼関係が極めて大切であり,保護者に対して,活 動の趣旨やプログラムの内容,指導者のこと,指導の方針,ケガや事故の場合の対応等につ いて説明し,理解を得ておく必要があります。説明会に参加できない場合は文書で知らせま す。その上で,参加についての保護者の同意を得ておくことが必要です。 ◆各種の保険加入について  主催者としては,少なくとも損害賠償責任保険には加入しておかなければなりません。ま た,傷害保険に加入することについても,子どもを対象とする場合をはじめ,主催者側とし て参加者にはっきりと意思表示しておく必要があります。いずれにしても,できるだけリス クの少ない形で安心して活動ができるよう,最善のリスクマネージメントを講じる必要があ ります。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2 森林環境教育雑感 <4> 〜これもまた環境を考えるアプローチの1つ?〜 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  皆さんは,クマゼミというセミを知っているでしょうか。成虫の体長は7cmにも達し,日 本産のセミの中では最も大きくなる種類で,真っ黒で頭が大きく,シャンシャンシャンと大 声で鳴くセミです。近頃は東京都内でも普通に見かけるようになりましたが,私が小学生の 頃はあまり見かけないセミでした。  私は栃木県宇都宮市の出身ですが,小学生の頃はいわゆる‘虫キチ’で,夏休みなどは朝 から晩まで雑木林や空き地の草むら,ため池の周りなどをうろつき廻っておりました。その ころの宝物といえば,父が誕生日に買ってくれた分厚い「原色昆虫図鑑(正しい名称,出版 社は忘れました。)」で,まだ見たことのない昆虫の写真を見てはワクワクしたりしていた ものでした。  そんな中に,クマゼミも載っていました。当時の宇都宮市で,最も普通に見かけることが 出来たセミはアブラゼミとツクツクボウシで,そうした見慣れたセミと並んで掲載されてい たクマゼミの写真は,他のセミよりも一回り大きく,真っ黒で頭が大きく,全体的に長方形 (他のセミは二等辺三角形)をイメージさせるものでした。  生息地は沖縄などの南方の温暖な地域となっており,当時の宇都宮市内では見たことも声 を聞いたこともありませんでしたから,私にとっては憧れの昆虫の1つでした。いつかクマ ゼミを見てみたい,捕まえたい。そう思っていたのでした。  そんな子どもの頃の憧れなどすっかり忘れた今,クマゼミは宇都宮市でも見かけるように なりました。もともと南の温暖な地域に生息しているセミですが,今,分布域を北へ拡大し ているらしく,地球温暖化の影響ではないかとも言われているようですが,植木の根に混じ って移入した等の諸説があるようです。  他にも,シオカラトンボを最近見かけないなあ,反対にコシアキトンボは良く見るように なったなあとか。今年は自宅そばの水路でボラを見かけないなあとか。  先日,久しぶりに家族共々実家に帰り,娘を近所の雑木林に虫取りに連れて行ったのです が,一時ほとんど見かけなくなったノコギリクワガタを3匹も捕まえたのは良い傾向なので はないかな,と思うのです。(林野庁計画課 高木鉄哉) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3 国有林の「緑の回廊」について ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  国有林では,原生的な天然林や貴重な野生動植物の生息・生育地等を保全・管理するため 「保護林」(本メルマガ第12号で紹介)を設定しています。そして,それらを相互に連結し て「緑の回廊」として野生動植物の移動経路を確保することにより,より広範かつ効果的な 森林生態系の保全を図ることとしています。  「緑の回廊」は全国の国有林に24箇所(H19.4.1現在で,面積は509千ha)設定されてい ます。このうち,延長が最も長いのは青森県・秋田県・山形県にまたがる「奥羽山脈緑の回 廊」で,延長400km(面積73千ha)となっています。 詳細につきましては, http://www.kokuyurin.maff.go.jp/Kokuyu_Natural_Page03.html を開いてご覧下さい。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4 <林野庁のホームページから> 「夏休みはレクリエーションの森へ」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  夏休みの行楽におすすめの「レクリエーションの森」(国有林)の紹介です。  レクリエーションの森は,美しい森林や山岳,渓谷,湖沼等の景勝地周辺の森林,キャン プ,ハイキング,スキーなどの野外レクリエーションや自然観察に適した森林等で,広く国 民の皆さんに提供されているものです。  今年の夏休みは,ハイキングや登山,キャンプ,自然観察等に,ご家族でレクリエーショ ンの森へお出かけ下さい。→http://www.rinya.maff.go.jp/kouhousitu/natuyasumi/top.html ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 5 <国民の森林「国有林」のホームページから> 「美しい森林づくりのモデル的な取組」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  「美しい森林づくり推進国民運動」では,『伝えたい木の文化,残したい美しい森』をキ ャッチフレーズに,森林の整備から身の周りの木材利用まで,国民の皆さんとともに多様な 取組が展開されています。  そうした中で,国有林では,スギやヒノキなどの人工林,知床や屋久島等の世界自然遺産 に登録されている貴重な天然林等の多様な森林を有し,「国民の森林」として良好な状態で 保全・整備する取組を全国各地で実施しており,こうした中から,列状の間伐や針広混交林 化等,民有林での新たな取組の参考となる施業箇所をホームページで紹介しています。 詳しくは,http://www.kokuyurin.maff.go.jp/Kokuyu_Detail_Page15.htmlをご覧下さい。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 6 <イベント情報> 「森林センターのイベント予定」(知床森林センター・高尾森林センター) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  世界自然遺産「知床」の森で活動する「知床森林センター」と世界に認められた☆☆☆ (三つ星)東京「高尾」の森で活動する「高尾森林センター」の平成20年度のイベント予定 です。年度の途中になりましたが,両森林センターのホームページからご覧下さい。 ◇知床森林センターの「平成20年度イベント予定」  http://www.shiretoko.go.jp/event/H20/yotei/yotei.htmlをご覧下さい。 ◇高尾森林センターの「平成20年度公募イベントのご案内」  http://homepage3.nifty.com/takaosc/ibent/ibent.htmlをご覧下さい。 ====================================== ☆ 事務局から ======================================  会員の皆様をはじめ関係の皆様に,暑中お見舞い申し上げます。  各地で厳しい暑さが続きました。この1〜2日は少しやわらいだ感がありますが,ピーク はまだこれからだそうです。できるだけ規則正しい生活に心がけて,この暑さを健康に乗り 切りたいものです。  さて,本号から「森林体験活動の安全について」を連載いたします。林野庁監修の「森林 体験活動指導者のための安全管理ハンドブック」((社)全国森林レクリエーション協会発行) がベースです。既に本書をご覧いただい皆様には申し訳ございませんが,しばらくの間お付 き合い願います。できるだけポイントを絞って概観したいと考えています。  また,森林環境教育ネットワークのサイトでは,都道府県等の皆様にご協力をいただき, 森林環境教育活動のフィールド紹介として,森林総合利用施設等のホームページへのリンク 集「フィールドへのリンク」をアップしました。まだ十分なものではありませんが,より広 くご支援をいただく中で,掲載内容の充実に努めていきたいと考えております。よろしくお 願いいたします。  なお,暑さ対策ということもありまして,次回のメールマガジン第15号は9月1日頃の 配信とさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 [編集発行]  〒112-0004 東京都文京区後楽1-7-12 林友ビル6F  社団法人 全国森林レクリエーション協会  森林環境教育ネットワーク事務局   TEL:03-5840-7471 FAX:03-5840-7472   Eメール:feenet_info@shinrinreku.jp   URL:http://www.shinrinreku.jp/feenet/index.html ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ====================================== ========= 伝えたい木の文化,残したい美しい森  ========== ==== 「美しい森林づくり」推進国民運動への参加・協力をお願いします。 ===== ======= ☆「美しい森林づくり」推進国民運動ホームページ☆ ======== ========= http://www.rinya.maff.go.jp/utsukushiimoridukuri.html  ===== ======= ☆美しい森林づくり全国推進会議ホームページ☆ ========= ========= http://www.b-forest.org/ ================= ======================================