◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆   森林環境教育ネットワークメールマガジン 第18号 (平成20年10月15日) ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ( 目 次 )  1 「森林環境教育と私」  2 全国の野生鳥獣類による農作物の被害状況について  3 森林体験活動の安全について<5> 「教育からみた森林体験活動の安全管理の2/2」  4 <図書紹介> 『日本の記録 林業人列伝vol.1』(全国林業改良普及協会 編)  5 <イベント情報>    ◆「〜森林セラピーへのいざない〜 健康と癒しの森林フォーラムINちば」(千葉県)    ◆「フォーラム『森林体験学習における大学の役割』」(大阪教育大学)    ◆「第2回人と自然の共生国際フォーラム」(人と自然の国際フォーラム実行委員会)  ◆「清里ミーティング2008」(社団法人 日本環境教育フォーラム)    ◆「NEC森の人づくり講座/2008・秋」(社団法人 日本環境教育フォーラム)    ◆「朽木いきものふれあいの里」イベントのご案内(滋賀県立朽木いきものふれあいの里)  ☆ 事務局から 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  《メールマガジン・バックナンバー http://www.shinrinreku.jp/feenet/mlbk/index.php》  《イベント情報の登録・閲覧 http://www.shinrinreku.jp/feenet/einfo/》 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 「森林環境教育と私」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  実は自然観察指導員(NACS-J)なんてものを持っていたりします。学生時代に友人に誘われ て取得しました。現場にいた頃は森林パトロールの途中にある湿原などで,即席観察会などを していました。湿原などにいらっしゃる方は,けっこう都市部の方が多く,「空気がきれい, 山の緑が目に優しい,美しい」と自然を満喫しておられました。しかし,当時の自分の業務は 造林事業や収穫事業が主で,森林環境教育について深く考えることもなく,山を散策しにきた 人に請われれば,案内をする程度でした。今考えるともったいなかった。南アルプスの真下で 都会からのアクセスもよく,森林環境教育の資源もそろっていたのに・・・。  当時気がついたことは,あまりにもアクセスがいい(駐車場がすぐ側にある,車道が舗装さ れている)と散歩気分で山に来ることが出来るため,安全に対して疎かになりがちな方が多く なるということでした。革靴やヒールで散策されていたり,半袖で帽子もかぶっていなかった り,ハチがいた,クマと思われる糞があった,ササ藪でガサガサ音がした,木道がゆがんでい る等,いろいろ言われる方も増える。私は言いたい。あなた方が来たこの場所は,すでに森の 中であり,山の生き物たちのエリアである。冬になれば地面が凍結して凍み上がり,釘で留め た木道など曲がってしまう。そんな大自然の中では人間がちっぽけな存在であるところを感じ てほしい,「人間様」ではなく「ヒト科ヒト属」として自然と接してもらいたいと思いました。  現場から遠ざかった今は,自分の子どもたちに森林環境教育(?)をしています(住んでい る場所の裏山が子どもに丁度いい散策路なので)。子どもたちは山を歩くと色々な発見がある ようで,目をキラキラさせてはしゃぎまくり,上から下まで泥んこ&草の実をいっぱい付けて 帰ってきます。カブトムシを育てたときは,「ようちゅうって土を食べるんだ!!お腹こわさ ない?」とか,「うんち,なんで丸いの?」など,質問攻めでした。幼稚園児には難しいかも と思いながらも,山を歩きながら芽吹きから腐葉土になるまでやミミズの役割を教えてみまし た。どれだけ理解できているかはわかりませんが,山や森の命の循環を少しでもわかってくれ たらと思いながら今週末も裏山へ行こうと思います。(林野庁計画課 福島 純) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2 全国の野生鳥獣類による農作物の被害状況について ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  平成19年度の被害状況が公表されました。これは,農林水産省が各都道府県からの報告に基 づいて取りまとめたものです。その概要は次のとおりです。全体としては,前年度に比べて被 害は減少しているようです。 ◆被害の総計では,被害面積91.0千ha(対前年度比86%),被害量406.1千t(同101%),そし  て被害金額は18,495百万円(同94%)となっており,前年度に比べて被害面積と被害金額は  減少し,被害量はわずかに増となっています。 ◆主な鳥獣類種別の被害状況について ◇被害面積は,シカ35.2千ha(同100%),カラス14.9千ha(同86%),イノシシ14.2千ha  (同83%),スズメ7.3千ha(同70%),サル3.7千ha(同88%)がトップ5で,前年度と同  様の順となっています。 ◇被害量は,シカ302.9千t(同105%),イノシシ38.7t(同101%),カラス18.3千ha(同91  %),クマ12.6千t(同64%),カモシカ3.6千ha(同360%)の順となっており,シカによ  るものが断トツで,クマまでのトップ4は前年度と同様です。 ◇被害金額は,イノシシ5,012百万円(同91%),シカ4,680百万円(同109%),カラス2,583  百万円(同84%),サル1,603百万円(98%),カモ673百万円(同136%)の順となっており,  サルまでのトップ4は前年度と同様です。 ◇被害金額については,イノシシ(対前年度517百万円減),カラス(同485百万円減),クマ  (同427百万円減)によるものが大きく減少している一方,シカ(同371百万円増),カモ(同  178百万円増),カモシカ(同176百万円増)では増となっています。 ※ 被害状況の詳細は,http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/tyozyu/080919.htmlを開いて  ご覧下さい。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3 森林体験活動の安全について<5> 「教育からみた森林体験活動の安全管理の2/2」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  林野庁監修の「森林体験活動指導者のための安全管理ハンドブック」((社)全国森林レクリ エーション協会発行)から,森林体験活動における「主催者」,「指導者」,「教育」,「保 険」及び「判例」のそれぞれの立場や分野からみた安全管理について,それぞれのポイントを 何回かに分けて概観しています。  今回はその5回目,「教育からみた森林体験活動の安全管理の2/2」です。 ◆親元を離れた子どもの体験活動で特に注意しなければならないのは「排せつ」の問題です。  家庭から離れると我慢してしまう子どもが多く,活動中に些細なことで転倒・転落するとか,  集中力が低下して指導者の注意を聞くことができないなど,いろいろな問題を生じることが  あります。指導者は,「寝る」,「食べる」,「トイレに行く」という生活上の習慣に十分  気を付けて対応する必要があります。 ◆危険な刃物を扱う活動の場合,時には声を荒らげなければならないこともあります。例え冗  談であっても,刃物を他人に向けるようなポーズを取るような子ども(この場合は大人も)  に対しては,指導者として厳しい姿勢で対応することが大切です。これは,まさに指導者と  しての力量の問題でもあります。 ◆面白い体験活動の展開は,安全を確保する上で重要な要素です。活動でリスクを排除しよう  とすると安全は十分確保されても,それでは活動の充実は図れず,参加者にも興味がわかず,  結果として活動への参加姿勢は消極的となって,逆にいくら安全上の注意をしても聞いても  らえない状況が生じることにもなります。 ◆森林というフィールドの特徴は,他の河川や海等と異なってはっきりとした所有者が必ずい  ることです。その所有者に迷惑をかけないことが森林内での体験活動のルールであることを  念頭におく必要があります。例えば,山火事を起こしたり,樹木を傷つけたりしないこと。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4 <図書紹介> 『日本の記録 林業人列伝vol.1』(全国林業改良普及協会 編) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  本書は,月刊「林業新知識」で長期連載された「技芸の人」をまとめ,一冊の本にしたもの です。2000年1月号〜2002年10月号までの30人の林業人を収録。時間とともに生きる知恵と技, 人生をかけ,地域で格闘した記録です。 ((社)全国林業改良普及協会発行/四六判 ハード カバー 336頁・定価2,100円(本体2,000円)) ◇まえがきより  その時々に,日本の各地域で自然と向き合い,技を工夫し,森の恵を創り上げてきた人々の 営みがあります。一生涯の人生をかけ,地域で格闘した記録の重みは,けっして失われること なく,時代を超えて生き続けるものです。  そうした経験の知恵に耳を傾けることなく,机上でのみ林業を論ずる愚を犯さないためにも, 私たち日本人が将来にわたって受け継ぎ,共有すべき学習情報が,本書には掲載されていると 確信いたします。国の土台をなす森林を揺るぎない財産とするためにも。  本書のタイトルにある「日本の記録」には,そうした意味が込められています。 ◇お申込先・発行所  (社)全国林業改良普及協会  〒107-0052 東京都港区赤坂1-9-13 三会堂ビル  TEL03-3583-8461 FAX:03-3583-8465 ホームペーシ:http://www.ringyou.or.jp/  ※ ホームページからオンラインで申込みできます。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 5 <イベント情報>   ◆「〜森林セラピーへのいざない〜 健康と癒しの森林フォーラムINちば」(千葉県)   ◆「フォーラム『森林体験学習における大学の役割』」(大阪教育大学)   ◆「第2回人と自然の共生国際フォーラム」(人と自然の国際フォーラム実行委員会)   ◆「清里ミーティング2008」(社団法人 日本環境教育フォーラム)   ◆「NEC森の人づくり講座/2008・秋」(社団法人 日本環境教育フォーラム)   ◆「朽木いきものふれあいの里」イベントのご案内(滋賀県立朽木いきものふれあいの里) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 本ネットワークの「イベント情報」(http://www.shinrinreku.jp/feenet/einfo/)に登録いた だいたイベントや事務局に連絡いただいた情報等の中から紹介します。――― ◆〜森林セラピーへのいざない〜 健康と癒しの森林フォーラムINちば  県内の森林セラピーの実践者を一同に会して,広く議論を深め,千葉県らしい森林セラピー についてわかりやすく発信するフォーラムを開催します。(千葉県農林水産部森林課) ◇開催日時 平成20年10月27日(月)13:00〜16:30(午前中にオプション行事を開催) ◇開催場所 京葉銀行文化プラザ(旧ぱるるプラザ千葉)3階 音楽ホール ◇実施内容 基調講演/対談/パネルディスカッション       オプション行事(午前中):ドキュメンタリー映画の上映,公開森林セラピーの実施 ◇参 加 等 定員400名(入場無料・事前申込制(締切10月20日)) ◇問合せ先 千葉県農林水産部森林課林業振興室 TEL:043-223-2966 FAX:043-225-7448  森林課ホームページURL:http://www.pref.chiba.lg.jp/nourinsui/10rinmu/index.html ◆フォーラム「森林体験学習における大学の役割」  近年,大学では地域と連携して構内や地域の里山を活用し,森林環境教育の活動をしていま す。体験を通して生物学の知識やフィールドワークの楽しさを子どもたちにわかりやすく伝え る活動が定着した次は,その活動がどのような成果をあげているかを検証することが求められ てきます。このフォーラムでは、研究と教育の立場から、森林体験学習のあり方についてワー クショップを取り入れながら参加者の皆さんと意見を交わします。(主催:大阪教育大学) ◇開催日時 平成20年11月1日(土)13:00〜16:50 ◇開催場所 大阪教育大学 附属図書館3階会議室(柏原キャンパス)       (近鉄大阪線「大阪教育大前」下車徒歩15分) ◇プログラム (項目)基調講演/話題提供3/ワークショップ ◇参加資格 無し(参加費無料) ◇応募方法 氏名と所属先を明記の上,E-mail:renkei@bur.osaka-kyoiku.ac.jpへ ◇問合せ先 大阪府柏原市旭ヶ丘4-698-1 TEL:072-978-3253 ※ より詳細は,http://www.shinrinreku.jp/feenet/einfo/45_index_msg.htmlをご覧下さい。 ◆第2回人と自然の共生国際フォーラム  「自然の叡智を再考する」〜森林から考える人と自然の共生〜  地球環境の未来は,「森林」が大きな鍵を握っている。  「自然の叡智」をテーマに開催された愛知万博の理念や成果を継承し,人と自然が共生する 持続可能な社会づくりに向けた大きな潮流を創り出すため,2007年から10年間にわたって開催 されるフォーラムです。第2回目となる今回のフォーラムでは,世界の森林の現状に目を向ける とともに,森林が地球環境や私たちの暮らしにどのように関わっているのか一緒に考えましょ う。(主催:人と自然の共生国際フォーラム実行委員会) ◇開催日時 平成20年11月15日(土)10:00〜19:30 16日(日)10:00〜17:00 ◇開催場所 1日目:愛知県立大学講堂/2日目:海上の森,県内のフィールド ◇参加費等 無料(ただし,オプションの交流会・フィールドワークは有料) ◇事前申込み期間 〜10月31日(金)まで(1日目のプログラム(交流会を除く)は当日受付有り) ◇申込み・問合せ先  あいち海上の森センター 国際フォーラム事務局  〒489-0857 愛知県瀬戸市吉野町304-1  TEL:0561-86-0606 FAX:0561-85-1841 E-メール:kaisho@pref.aichi.lg.jp ※ 詳しくは,ホームページhttp://www.pref.aichi.jp/kaisho/を開いて,トピックス(フォ  ーラムの参加者募集)をご覧下さい。 ◆清里ミーティング2008  参加者同士のネットワークの構築とそれぞれの環境教育活動を再確認し,理念や意識を共有 することをテーマとしたわが国最大規模の環境教育ミーティングです。通算22回目となる今年 のテーマは「日本型環境教育の知恵 出版記念〜日本型環境教育とは〜」です。今の時代に求め られる,期待される「日本型環境教育」とはどんなものがあるのか,皆さんで考え,探ってみ たいと思います。(主催:社団法人 日本環境教育フォーラム) ◇開催日時 2008年11月15日(土)13:00〜17日(月)14:00(2泊3日) ◇開催場所 山梨県 (財)キープ協会内清泉寮・山梨県八ケ岳自然ふれあいセンター ◇参加費用 JEEF会員32,000円,会員以外一般38,000円・学生35,000円 ◇応募方法 ホームページhttp://www.jeef.or.jp/kiyosato/から(応募締切11月1日) ◇問合せ先 北杜市高根町清里3545       TEL:0551-48-3795 FAX:0551-48-2990 E-mail:kiyosato2008@jeef.or.jp ◆NEC森の人づくり講座/2008・秋  全国から集まった学生同士の交流と,「森づくり」という具体的な課題の解決を実践する中 で,「しっている」から「している」へ,自らアクションを起こせる環境インストラクターを 目指します。(主催:社団法人 日本環境教育フォーラム) ◇開催期日 2008年11月22日(土)〜11月26日(水)(4泊5日) ◇開催場所 岐阜県 オークヒルズ(JR高山線・高山駅からバス30分) ◇参加資格 学生(短大・専門学校・大学・大学院) ◇参加費用 無料 ◇応募方法 ホームページhttp://www.jeef.or.jp/necから ◇問合せ先 〒506-0101 岐阜県高山市清見町牧ケ洞4444-3 森林たくみ塾       TEL:0577-68-2300  E-mail:nec@takumijuku.com ◆「朽木いきものふれあいの里」イベントのご案内  平成20年度後期のイベントのご案内です。登山やハイキング,自然観察,スターウォッチン グ,物作りなど,興味と関心にあわせてご参加下さい。いずれも事前予約が必要です。(滋賀 県立朽木いきものふれあいの森) ◇イベント内容等 http://www.zb.ztv.ne.jp/k-fureai/を開いてご覧下さい。 ◇申込み・問合せ先     〒520-1415 滋賀県高島市朽木柏341-3     TEL:0740-38-3110 FAX:0740-38-3212 E-mail:k-fureai@zb.ztv.ne.jp ====================================== ☆ 事務局から ======================================  先日,機会があって東北地方の南部を旅行してきました。山々の標高1,000m付近は紅葉の真 っ盛りでした。南北に細長い日本列島ですが,総じて秋たけなわといったところではないでし ょうか。  こうした季節には,山々,森林,木々への関心が高まります。今年の東北地方は大きな地震 災害に見舞われましたが,こうした災害等への対応も含めて,この美しい日本の森林をいつま でも大切に守っていかなければならないと思います。  一方,国内の森林の手入れ不足,砂漠化等による地球的規模の森林の劣化・減少が続く中で, 国民の一人一人が森林や緑を自分たちの共通財産と考え,それぞれの立場で,可能な方法で, 森づくりへ参加することが期待されています。  現在,本年秋の「緑の募金」が行われています。一人一人の協力は募金を通して,身近な地 域や国内外の森づくりにつながり,さまざまな「森づくり・人づくり」活動の活性化に活かさ れます。「緑の募金」にご協力下さい。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 [編集発行]  〒112-0004 東京都文京区後楽1-7-12 林友ビル6F  社団法人 全国森林レクリエーション協会  森林環境教育ネットワーク事務局  TEL:03-5840-7471 FAX:03-5840-7472  E-mail:feenet_info@shinrinreku.jp  URL:http://www.shinrinreku.jp/feenet/index.html ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ======================================            伝えたい木の文化 残したい美しい森      「美しい森林づくり」推進国民運動への参加・協力をお願いします。         ☆「美しい森林づくり」推進国民運動ホームページ☆           http://www.rinya.maff.go.jp/utsukushiimoridukuri.html         ☆美しい森林づくり全国推進会議ホームページ☆           http://www.b-forest.org/ ======================================