◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇          森林環境教育ネットワークメールマガジン                  第 2 号               (平成20年1月15日) ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ( 目 次 ) 1 年頭のごあいさつ 2 未来に向けた「美しい森林づくり」の推進と国産材復活のために   〜平成20年度予算案が決定しました(森林環境教育関係予算の概要について)〜 3 森林環境教育雑感<2> 4 「森林環境教育コーディネーター研修」について 5 <イベント情報> シンポジウム「上下流が連携した森林・林業・木材産業の再生を目指して」 ☆ 事務局から「ごあいさつ」など ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 年頭のごあいさつ  社団法人全国森林レクリエーション協会 会長 三浦 雄一郎 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  明けましておめでとうございます。  皆様には,新たな気持ちで新年を迎えられたことと思います。  21世紀における子どもたちの教育を考えるとき,単に知識の学習ではなく,人間関係, 自然環境,文化芸術,スポーツなど幅広い体験学習が必要です。子どもの頃の自然や生 命の大切さを体験する学習はとても大切なことです。そういう意味で,親は机上の学習 時間を削ってでも,子どもを森や川や海へ連れていく努力をいとわないで欲しい。それ が,子どもたちの生きる力となり,人格形成において大切なことです。  僕がスキーと出会ったのは小学校5年生の冬でした。病気ばかりして学校を休む僕を 心配した父が,冬休みに蔵王へスキーに連れていってくれたのです。山岳スキーのパイ オニアだった父の背中を追って,滑ったり転んだりするうち,学校の教室がちっぽけな 世界に思えてきた。それがうれしくて早く病気を治そうという気が起こりました。父と 一緒に山形から蔵王温泉まで歩き,山越えして仙台まで行ったこともありました。そこ から僕の登山とスキーの冒険人生が始まったように思います。以来,世界中の山々を仲 間と一緒に滑ってきました。  スキーは,親と子が一緒に楽しめる愉快でスリルある遊びです。雪山は一歩一歩が自 然の神秘と驚異にあふれたすばらしい学校であり,心をそそられる冒険と探検です。学 校での勉強よりはるかにすばらしい体験が得られるなら,それを選ぶべきです。遅れた 勉強はあとから頑張って取り戻すことができますが,子どもの頃の体験は取り戻すこと はできません。  一方,日本の人口は少子高齢化が急速に進んでいますから,子どもから高齢者まで幅 広い年齢層が自然の中で,遊び,学び,感じるさまざまな自然体験活動の仕組みづくり が必要になっています。そういう意味で,森林をはじめとする環境教育の重要性はます ます高まるものと思います。  話は少し変わりますが,中国政府は北京オリンピックの開催に当たり,今年の5月に アテネからの聖火を地球の最高峰チョモランマの山頂に運ぶという計画を公表していま す。この計画にあわせて,我らが「MIURAチョモランマ2008プロジェクト」では,中国 側から再びチョモランマの山頂を目指す準備を2005年から進めてきました。この登頂が 成功すれば,世界最高年齢(75歳7ヶ月)の記録となり,究極のアンチエイジングとなり ます。このアタックの様子は、インマルサット(通信衛星)を利用してリアルタイムで 発信する予定です。  最後になりますが,皆さまのご健勝とご活躍を心より祈念し,新年のご挨拶といたし ます。  ((株)ミウラ・ドルフィンズ代表取締役,クラーク記念国際高等学校校長) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2 未来に向けた「美しい森林づくり」の推進と国産材復活のために   〜平成20年度予算案が決定しました(森林環境教育関係予算の概要について)〜 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  平成20年度予算の政府案が平成19年12月24日の臨時閣議で決定しました。その中で, 平成20年度の林野庁予算の重点事項は, ・国民ニーズを捉えた「美しい森林(もり)づくり」に向け多角的な森林整備の推進 ・森林資源の利活用による地域の新たなビジネスの創出 ・木材の加工流通体制の整備と林業生産コスト削減による国産材の競争力の向上 ・流域保全のための効率的かつ総合的な国土保全対策の推進 ・持続可能な森林経営の実現に向けた国際的な取組の推進 ・国有林野の管理経営の適切かつ効率的な推進 を柱に,未来に向けた「美しい森林づくり」の推進と国産材の復活のため諸施策を講じ ることです。これらの詳しい内容は, 林野庁HP(http://www.rinya.maff.go.jp/kouhousitu/yosankesan.html)に掲載され ています。  ここでは,森林環境教育関係予算の概要(平成20年度概算決定額)について紹介し ます。 1)森林体験活動等の推進  ○学校林整備・活用推進事業                 16,178千円   学校林の整備とそれにより生産される木材の利用や体験活動等を一体的に行うモデ   ル学校林の設定。  ○地域活動支援による国民参加の緑づくり活動推進事業(拡充)168,068千円の内数   青少年等による森林ボランティア活動や緑の少年団活動発表大会の開催などの普及   啓発活動への支援。  ○上下流連携いきいき流域プロジェクト            49,809千円の内数   上下流の関係者による森林の保全・利用活動や森林環境教育活動を複数の流域が連   携して効果的に推進。  ○林業後継者活動支援事業(拡充)              90,539千円の内数   林業後継者の育成・確保を図るため,青少年等に対して森林施業推進等のための林   業体験学習等を実施。 2)人材育成,プログラム開発  ○森林環境教育推進総合対策事業               13,888千円   森林環境教育活動の一層の拡大と活動内容の充実を図るため,質の高い人材の育成,   森林・林業に対する理解を深めるためのプログラムづくりなどを実施。 3)森林・施設の整備等  ○学びのもりの推進   森林・林業・木材産業づくり交付金(新規)       9,691,997千円の内数   森林環境教育など継続的な体験活動の場,知識から技術まで学べる林業体験学習の   場となる実習林や学習展示施設,木工体験施設等を整備,学校林を体験活動の場と   して適した状態にするための歩道・ベンチ等の環境を整備。 4)普及啓発  ○森林環境教育推進総合対策事業(再掲)           13,888千円   モデルとなるべき施設等の評価基準の策定及び優良事例の調査・収集と普及活動な   どを実施。  ○日本の森を育てる木づかい推進緊急対策事業        164,520千円   地球温暖化防止に向けた木材利用の意義を普及するために,NPO等と連携した地   域材利用セミナー等の開催及び市民や児童の木材に対する親しみや木の文化への理   解を深めるため,木材利用に関する教育活動(「木育」)を促進。 [問い合わせ先] 林野庁森林整備部計画課森林総合利用・山村振興室          森林総合利用推進班 TEL 03-3502-8111(内6145) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3 森林環境教育雑感<2> ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  12月17日〜19日に北海道美瑛町で開催された「北海道における自然体験活動(長期滞 在型サマースクール開催)を通じた地域連携のためのコア・リーダー養成会」に参加し ました。長いタイトルですが,この養成会は体験活動を推進するに当たって地域で核と なる指導者「コア・リーダー」を養成するもので,文部科学省の委託事業です。私は2 日目に森林環境教育に関する林野庁の取組について説明しました。ほかには文部科学省 はもちろんですが,農林水産省,環境省,国土交通省の担当官がそれぞれの取組につい て説明しました。  参加者は,NPO,学校,民間企業,市町村をはじめとする行政機関など多岐にわたって おり,北海道内各地から来ていました。すぐにでもサマースクールを始めようと考えて いる方々ばかりですので,グループワークなどたいへん熱がこもっていました。  講義では,「地域振興」,「環境保全」,「観光振興」の3つのバランスがとれてい ることが大切である,地域で暮らす人たちに受け入れられるものでなければ成功しない など,体験活動を行う上での考え方について学ぶとともに,ワークショップでは,来夏 のサマースクール開催を想定した具体的なスケジュールづくりやコア・リーダーの役割 などについてグループで考えるといった内容でした。  今後,参加者間で情報交換をしながら,それぞれの計画を進め,来年の夏休みには, 道内各地,十数カ所でサマースクールが開催されることでしょう。今から楽しみです。  ところで,養成会には,森林関係では森林インストラクターの方も何名か参加されて いましたが,林野庁では,「森林環境教育推進総合対策事業」を平成19年度から5年 間の予定で実施しています。森林環境教育の取組を推進する人材の育成や普及啓発,プ ログラム開発等を総合的に推進するものですが,この事業では,地域において森林環境 教育を推進するための中心的役割を森林インストラクターに,さらに言えば,都道府県 レベルで組織されている森林インストラクター会に担っていただくことを考えています。  まず本事業の初年度である今年度は,2月22日〜24日に森林インストラクター等を対象 とした研修会を開催します。この研修では,県内で行われる森林環境教育活動の窓口や 調整役を担うことができる人材を育成することを目指します。  すでに各都道府県のインストラクター会には,事業主体の(社)全国森林レクリエーシ ョン協会から募集案内が届いていると思います。会の中で参加者の人選をお願いします。 本研修は,森林環境教育の分野の第一人者を多数講師としてお招きしております。普通 なら相当の受講料が必要となるところ,受講料無料で参加できます。こんなチャンスを 見のがす手はないと思います。奮ってご参加ください。森林インストラクターの担う役 割については,引き続き事業の中で検討していく予定です。  農林水産省,文部科学省,総務省の3省連携の子ども農山漁村交流プロジェクトが来 年からスタートするなど,森林での体験活動のニーズはこれまで以上に高まってくると 思います。森林環境教育に取り組むみなさまと情報交換を密にしながら,このような国 民の期待に応えていきたいと考えています。       (林野庁計画課 西崎孝之) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4 「森林環境教育コーディネーター研修」について ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  本研修は,本年度から(社)全国森林レクリエーション協会が実施している「森林環境 教育推進総合対策事業」(林野庁補助事業)の一環として,初めて実施されるものです。  森林環境教育の重要性が高まる中で,これまで森林インストラクターなどとして森林 ・林業体験の企画や実施,自然観察会の案内,野外活動の指導等,さまざまな分野で活 動され,これから地域の森林環境教育活動をより積極的に推進していこうとされる方を 対象として,学校教育や河川,農業,沿岸域等森林・林業以外の分野における環境教育 との連携等に必要な企画力や調整力を付与し,都道府県域における森林環境教育活動の 推進,拡大を図るための中核となる者を養成することを目的としています。  具体的には,本研修の修了者には主に次のようなことが期待されています。 ○ 都道府県域における森林環境教育の拡大,推進 ○ 「森林環境教育ネットワーク」の活用等による森林環境教育に関する都道府県域内   や域外とのネットワークの構築 ○ 平成20年度以降実施が予定されている「森林環境教育活動者研修(仮称)」の企画   や実施への協力等  本年度の実施内容の概要は次のとおりです。本研修の研修生は,森林インストラクタ ーの地域の会等から推薦される者の中から選考されます。現在,研修対象者の推薦が依 頼されているところです。 ◇ 日時・場所 平成20年2月22日(金)13:10〜24日(日)16:00(3日間)         林友ビル6階会議室(東京都文京区後楽1-7-12) ◇ 研修対象者 森林インストラクター又は地域の森林環境教育の推進を先導する者         20名程度 ◇ 研修内容等 (予定されている主なもの,講義・実習等)         ・森林環境教育の推進について         ・小中学校における環境教育         ・河川,農業,沿岸域等他分野における環境教育         ・企画作りの基本と実践         ・事業マネージメント         ・グループ討議,情報交換等 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 5 <イベント情報>    シンポジウム「上下流が連携した森林・林業・木材産業の再生を目指して」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  平成19年度上下流連携いきいき流域プロジェクト事業(林野庁補助事業)の一環とし てシンポジウム「上下流が連携した森林・林業・木材産業の再生を目指して」が次のと おり開催されます。 ○ 日 時  平成20年2月25日(月)13:00〜17:00 ○ 場 所  スクワール麹町 3階「錦華」(東京都千代田区麹町6丁目6番地) ○ 主な内容 第1部 事例発表 流域森林・林業活性化センター(3団体)        第2部 講演            「転換期を迎えた林業・林産業への提言」               鹿児島大学 農学部 教授   遠藤 日雄 氏            「提案型集約施業による林業経営」               日吉町森林組合 理事兼参事 湯浅 勲  氏            「元気あふれる森を創造し,子どもを元気にする」               潟crリティランド・ツインリンクもてぎ・ハローウッズ                  森のプロデューサー  楓 隆一郎 氏 ○ 主催等  主催:日本林業技士会        後援:林野庁・全国森林組合連合会・(社)全国木材組合連合会  本シンポジウムは,都道府県境を越える圏域等における上下流の住民や森林・林業関 係者が連携して取り組む活動を支援することにより,森林・林業・木材産業の活性化と 森林の公益的機能の維持増進に資することを目的として開催されるものです。  本シンポジウムの「ご案内のパンフレット」や「参加申込書」は,(社)全国森林レク リエーション協会(本シンポジウムの事務局)のホームページの「協会からのお知らせ」 (次のURL)を開いてご覧下さい。   http://www.shinrinreku.jp/infomation/infomation.html#3 ======================================= ☆ 事務局から「ごあいさつ」など =======================================  新年おめでとうございます。  本年もよろしくお願いいたします。  本号では,プロスキーヤーで冒険家,当協会の三浦雄一郎会長の年頭のごあいさつを 掲載いたしました。この中で触れられていますが,三浦会長は,今年,北京オリンピッ クの開催にあわせて再び世界の最高峰チョモランマ(エベレスト8,848m)を登頂すべく 準備を進められています。75歳7ヶ月,世界最高齢での登頂。期待しています。  本メルマガの配信につきましては,本号は年末年始のため15日付けとなりましたが, 原則として毎月2回,月の初めと中頃を予定しています。よろしくお願いいたします。 [編集発行]  〒112-0004 東京都文京区後楽1-7-12 林友ヒ゛ル6F  社団法人 全国森林レクリエーション協会  森林環境教育ネットワーク事務局  TEL:03-5840-7471 FAX:03-5840-7472  Eメール:feenet_info@shinrinreku.jp  URL:http://www.shinrinreku.jp/feenet/index.html ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ======================================= === 「美しい森林づくり」推進国民運動への参加・協力をお願いします。 === ===    ☆「美しい森林づくり」推進国民運動ホームページ☆      === ===     http://www.rinya.maff.go.jp/utsukushiimoridukuri.html  === ===     ☆美しい森林づくり全国推進会議ホームページ☆       === ===        http://www.b-forest.org/             === =======================================