◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆   森林環境教育ネットワークメールマガジン 第20号 (平成20年11月17日) ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ( 目 次 )  1 森林環境教育ネットワーク会員の皆様へ  2 「森林環境教育マネジメント研修」について(実施報告)  3 第21回森林レクリエーション地域美化活動コンクールの実施について  4 森林体験活動の安全について<7> 「判例からみた森林体験活動の安全管理(2/5)」  5 国有林の巨樹・巨木「森の巨人たち」<6:終> 「スギ28本の大きさ比べなど」  6 <イベント情報> ■ 第8回北の杜づくり講座「間伐・枝打ち!」(北杜市)  ☆ 事務局から 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  《メールマガジン・バックナンバー http://www.shinrinreku.jp/feenet/mlbk/index.php》  《イベント情報の登録・閲覧 http://www.shinrinreku.jp/feenet/einfo/》 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 森林環境教育ネットワーク会員の皆様へ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  林野庁計画課森林総合利用推進班の高木です。恥ずかしながら,度々本メルマガにて駄文を 披露させていただいておりますが,今回は皆様にお願いがあり,本メルマガにお邪魔させてい ただきます。  さて,皆様におかれましては,既にご存じのことと思いますが,今年から農林水産省と文部 科学省,総務省の3省が連携して全国の小学生を対象に農山漁村で長期滞在型の宿泊体験活動 を行わせる「子ども農山漁村交流プロジェクト」を開始しております。  本プロジェクトは,これまで地域や学校が独自に取組んできた体験学習活動から一歩踏み出 し,教育活動の一環として全国的な規模で実施するもので,学習指導要領が改正され受け入れ 地域の整備が進む中,今年は既に全国53地域で243校,約1万4千人の小学生が農山漁村 での宿泊体験活動を行っています。  林野庁としては,この「子ども農山漁村交流プロジェクト」を森林環境教育を広める良い機 会と考え,会員の皆様をはじめ,森林インストラクターや各都道府県の担当の方にも協力を呼 びかけて参りましたが,今年度,実際に林業体験を実施した受入地域もあると伺っております。  他方,ある地域からは「思うようには上手くいっていない」,「温度差,すれ違いがある」 等々といった情報も聞いており,当方としましては,こうした現場の実情をもっと把握する必 要があるのでは,と感じております。  つきましては,会員の皆様の中で,既に「子ども農山漁村交流プロジェクト」に何らかの関 わりをお持ちの方や取り組みなどを行っておられる方から,本プロジェクトについての質問や 思うところ,考えるところなど,現場の実情を添えて当方にお寄せいただきたく,ご協力をお 願いいたします。  ただし,お伺いした事柄について,必ず対応することをお約束するものではないことを,ご 了承下さいますようお願いいたします。 (送り先)  林野庁計画課森林総合利用・山村振興室   森林総合利用推進班 課長補佐 高木 鉄哉   〒100-8952 東京都千代田区霞が関1−2−1   E-mail:tetsuya_takagi@nm.maff.go.jp ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2 「森林環境教育マネジメント研修」について(実施報告) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  本研修は,昨年度から(社)全国森林レクリエーション協会が実施している「森林環境教育推 進総合対策事業」(林野庁補助事業)の一環として実施したもので,昨年度は森林環境教育コ ーディネーター研修としましたが,今年は「森林環境教育マネジメント研修」と名前を変えて 行いました。  研修の目的は,今後地域における森林環境教育活動をより積極的に推進するため,森林イン ストラクターなどを対象として,森林環境教育活動に関するマネジマント力の向上を図り,そ の推進の中核となる者を養成することです。  研修は11月7,8,9日の3日間,内容は1)森林環境教育とは,2)学校教育と森林環境教 育,3)インタープリテーションとは,4)マネジメントに必要な力コミュニケーション・企画・ 評価,5)グループ討議でした。  研修は,個々の講師からそれぞれに話を聞くと言うものではなく,講師・ファシリテーター が常に研修内容について参加者の理解の確認や考え方を聞き出し,相互にやりとりをしながら, 3者が連携を密にして進行します。また,時間の持ち方も柔軟性があり,参加者の状況を見て, 講師・ファシリテーターが翌日の研修内容の調整を行うというものです。  参加者からは,3日間の研修内容が相互に関連付けられており,分かりやすく,森林環境教 育で何をやればいいのか理解でき,また,マネジメントについて体系的に知ることができて, 実践で役に立つとの感想がありました。  群馬県から和歌山県まで1都9県からの参加者18名は,自己紹介,活動内容の情報交換, お互いの思いなど話が盛り上がり,森林環境教育活動についてのモチベーションも高まったよ うで,今後の活躍が期待できます。  ご指導頂いた都留文科大学の高田研先生,キープ協会の川嶋さん,増田さん,ファシリテー ターの竹越さん,補佐の中山さんに感謝申し上げます。また,参加者募集に当たりご協力頂い た全国の地域森林インストラクター会,都道府県の関係の皆様に感謝申し上げます。ありがと うございました。((社)全国森林レクリエーション協会:玉置) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3 第21回森林レクリエーション地域美化活動コンクールの実施について ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  自然とのふれあいの場,教育の場,ふるさとの森など,森林レクリエーション地域において 積極的に美化活動を行っているボランティア等の団体を顕彰するコンクール(主催:社団法人 全国森林レクリエーション協会)です。  本コンクールは,都道府県,森林管理局及び(社)全国森林レクリエーション協会各支部から 推薦された団体を対象に,昭和63年度から実施されており,優秀な団体には「農林水産大臣賞」, 「林野庁長官賞」等が授与されます。現在,参加団体の受付が開始されたところです。 ◇推薦の締め切り 平成21年2月末日 ◇表彰団体の選考 審査委員会において平成21年4月末日までに選考 ◇表彰団体の発表 協会ホームページ及び機関誌「森林レクリエーション6月号」に掲載 ◇表彰の内容  「農林水産大臣賞」1団体,「林野庁長官賞」2団体,「協会会長賞」若干団体  (なお,表彰には副賞が添えられます。) ※ 詳しくは,http://www.shinrinreku.jp/kyokai/bikakon.html#4を開いて「実施要領」等を  ご覧下さい。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4 森林体験活動の安全について<7> 「判例からみた森林体験活動の安全管理(2/5)」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  林野庁監修の「森林体験活動指導者のための安全管理ハンドブック」((社)全国森林レクリ エーション協会発行)から,森林体験活動における安全管理のポイントを概観しています。  今回は,その7回目,「判例からみた森林体験活動の安全管理(2/5)」です。 ◆主催者や指導者が責任を問われる「危険を回避する義務」,その場合の注意義務について ◇自然体験活動を行う場合,自分の活動する領域,エリアというものが大前提の土台としてあ  り,先ずこの土台の危険を回避することが必要です。そのために必ず下見をする。よく知っ  ている場所であっても,季節や時間の経過とともに状況は変化しており,事前に必ず下見を  して,活動エリアの危険性をあらかじめ予見しておくことが重要な点となります。下見では,  利用するトイレなどの周辺施設についても点検しておくことが必要です。また,もう一つの  土台として,特に自然体験活動では,天候に関する情報を十分に収集しておくことが必要で  す。 ◇自然の中で行われる活動では,しばしば指導者が参加者を見失うことがあります。自然の中  で多くの参加者を相手にしていることを前提にして,参加者を見失わないよう指導者を配置  することが必要です。また,指導者の数を揃えるだけでなく,指導者の役割分担をしっかり  決めて,参加者の行動を見失わない体制を立てておくことが大切です。 ◆事故に伴う損害の法的な公平性について ◇わが国の損害賠償制度は制裁のための制度ではなくて,損害の公平な分担というのが制度の  趣旨になっています。被害者側であっても,損害の発生に寄与している場合には,それも損  害の公平な分配としてしんしゃくするという制度があります。これが過失相殺といわれるも  のです。 ◇過失相殺をするためには,過失相殺能力というものが必要になってきます。これは,判例で  は事理を弁識するに足る能力といわれています。この事理弁識能力の程度は,一般的に小学  生程度の知能といわれています。 ◇判例では8歳の子どもに過失相殺能力を認めたものあるいは否定したものがあり,明確に何  歳だと過失相殺能力があるかということは難しい問題ですが,少なくとも小学校の高学年程  度であれば,指導者の指導に従って安全に活動する能力があるだろうといえます。小学校の  高学年レベルであれば,指導者の指導に違反した行動をとった場合には,その小学生の過失  がしんしゃくされるということになります。 ◇被害者が幼稚園児や小学校低学年の児童で,被害者に過失相殺能力がないという場合であっ  ても,親など保護者の不注意がしんしゃくされることがあります。これについては,被害者  側の過失という判例上確立した法理があります。例えば,幼稚園児が指導者の指導に反して  危険な行動をとったために事故が生じた場合,その幼稚園児の監督義務者である親などに過  失があれば,その過失も損害額の算定において考慮するというものです。(次号3/5に続き  ます。) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 5 国有林の巨樹・巨木「森の巨人たち」<6:終> 「スギ28本の大きさ比べなど」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  森の巨人たち百選の中で最も本数が多い樹種はスギで,28本が選定されています。2番目が カツラの8本であることを考えれば,スギの本数が断トツであることがわかります。今回は, これら28本のスギの巨人たち,特にその大きさなどについて紹介します。 ◆生育地域について  28本は,地域的には北は秋田県から南は鹿児島県屋久島まで,19府県にわたっています。秋 田県が5本,福岡県と鹿児島県が各3本,静岡県が2本で,他の15府県が各1本となっています。 秋田県は秋田スギ,鹿児島県は屋久スギ,静岡県は伊豆半島,天城のスギです。 ◆大きさについて  森の巨人たち百選では,巨人たちの大きさを示す数値として,「幹周」と「樹高」が掲げら れています。 ◇幹周について  幹周は,わが国では通常樹木の高さ1.2mの位置の幹一周の長さです。28本の平均の幹周は883  cm(参考までに円周率3.14で割ると2m81cm)で,トップ5は次のとおりです。  1) 1,639cm(同5m22cm):鹿児島県屋久町(旧上屋久町)「縄文杉」…樹高25m  2) 1,360cm(同4m33cm):京都府京都市「大悲山の三本スギ」…同35m  3・4) 1,240cm(同3m95cm):秋田県大仙市(旧太田町)「オブ山の大杉」…同34m                福岡県添田町「鬼杉」…同38m  5) 1,200cm(同3m82cm):秋田県秋田市「めおとスギ」…同36m ◇樹高について  28本の樹高の平均は38mです。半数の14本が40m以上で,そのうち50m以上のものは次の4本で  す。  1) 58m:秋田県能代市(旧二ツ井町)「きみまち杉」…幹周520cm  2) 54m:高知県馬路村「千本山橋の大杉」…同680cm  3) 52m:福岡県東峰村(旧小石原村)「大王杉(行者の父)」…同829cm  4) 50m:茨城県日立市「御岩山の三本杉」…同848cm ◆愛称・呼称について  28本全てに愛称・呼称があります。全く同じものは勿論ありませんが,傾向としては,地名 等につけ加えて,「一本杉」,「三本杉」,「千本杉」等のように本数がつくものが8本,大 杉等「大」がつくものが5本,その他「鬼」のつくもの2本,屋久スギ3本は縄文・弥生の時 代,「めおと」,「コブ」,「太郎」,「弘法」,「姥」,「御神木」等さまざまですが,ロ マンチックなのは,やはり樹高トップ58mの「きみまち杉」でしょうか。 ※ 今回で「国有林の巨樹・巨木」シリーズを終わります。ありがとうございました。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 6 <イベント情報> ■ 第8回北の杜づくり講座「間伐・枝打ち!」(北杜市) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 本ネットワークの「イベント情報」(http://www.shinrinreku.jp/feenet/einfo/)にご登録い ただいたイベントや事務局にご連絡いただいた情報等の中から紹介します。――― ■ 第8回北の杜づくり講座「間伐・枝打ち!」  山梨県北杜市では,森林整備推進の一環として森林づくりに欠かすことのできない森林・林 業に関する知識や技術等を市民に分かりやすく伝え,一緒に考え,感じていただける「北の杜 づくり講座」を開催しています。第8回となる今回の講座では,間伐や枝打ちを通じて元気な 森林づくり,望ましい森林の姿等について学ぶことにしています。(主催:北杜市) ◇開催日時 平成20年12月6日(土) 12:30〜 ◇開催場所 山梨県北杜市役所(JR小淵沢駅から徒歩10分,中央道小淵沢ICから車で8分) ◇参加費用 無料(どなたでも参加できます。30名程度) ◇応募方法 北杜市役所林政課までお電話を(0551-42-1353 担当:佐藤) ◇問合せ先 北杜市須玉町大豆生田961-1       TEL:0551-42-1353 FAX:0551-42-1122       E-mail:sato-yas@city.hokuto.lg.jp ※詳しくは,  URL:http://www.city.hokuto.yamanashi.jp/hokuto_wdm/html/forest-sec/index.html#C9 ====================================== ☆ 事務局から ======================================  昨日・一昨日(11月15・16日)の2日間にわたって,「平成20年度森林インストラクター資 格試験」の二次試験が東京で実施されました。今回,実技試験と面接の二次試験を受験したの は一次試験に合格した2百人余。12月中旬頃には合格者が公表される予定です。  さて,本号に掲載した「森林環境教育マネジメント研修」は,繰り返しになりますが,「森 林環境教育活動の発展,拡大のため,活動に関するマネジメント力の向上を図り,その推進の 中核となる者を養成する。」ことを目的としており,その対象者は,主に森林インストラクタ ーや地域の森林環境教育活動の推進を先導する者となっています。  この種の全国研修としては特徴的なもので,興味深いところがあるように思います。今のと ころ来年度以降も実施が予定されているようですので,森林インストラクターの皆さんをはじ めとして参加されてみたらいかがでしょうか。参加費無料。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 [編集発行]  〒112-0004 東京都文京区後楽1-7-12 林友ビル6F  社団法人 全国森林レクリエーション協会  森林環境教育ネットワーク事務局  TEL:03-5840-7471 FAX:03-5840-7472  E-mail:feenet_info@shinrinreku.jp  URL:http://www.shinrinreku.jp/feenet/index.html ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ======================================          伝えたい木の文化 残したい美しい森     「美しい森林づくり」推進国民運動への参加・協力をお願いします。       ☆「美しい森林づくり」推進国民運動ホームページ☆         http://www.rinya.maff.go.jp/utsukushiimoridukuri.html       ☆美しい森林づくり全国推進会議ホームページ☆         http://www.b-forest.org/ ======================================