◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆   森林環境教育ネットワークメールマガジン 第21号 (平成20年12月1日) ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ( 目 次 )  1 <林野庁から> 第1回森林における生物多様性保全の推進方策検討会の開催について  2 都道府県における「森林環境税」の導入状況について  3 森林体験活動の安全について<8> 「判例からみた森林体験活動の安全管理(3/5)」  4 <レポート> 「第6回子ども樹木博士リーダー交流会」の開催状況  5 <アドバイス01> 「野外活動」の指導に当たって  6 <イベント情報>    ◆ ウィークデイフォレスター(さくらの園) (財団法人 おおのじょう緑のトラスト協会)  ☆ 事務局から 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  《メールマガジン・バックナンバー http://www.shinrinreku.jp/feenet/mlbk/index.php》  《イベント情報の登録・閲覧 http://www.shinrinreku.jp/feenet/einfo/》 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 <林野庁から> 第1回森林における生物多様性保全の推進方策検討会の開催について ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  平成19年7月に策定した農林水産省生物多様性戦略を踏まえた森林における生物多様性保全に ついて,適切なフォローアップを行うとともに,平成22年10月に愛知県名古屋市において開催 することとされた生物多様性条約第10回締約国会議に向けて適切な対応を図ることが必要とな っています。  このため,「森林における生物多様性保全の推進方策検討会」を新たに設置して検討を行い, 森林における生物多様性保全の一層の推進を図ることとし,その第1回検討会が12月3日(水) に開催されますのでお知らせいたします。 ◆検討の視点 ・森林における生物多様性保全についての林野庁の取組の現状把握 ・森林における生物多様性保全の課題 ・森林における生物多様性保全の推進方策(仮称)の策定 ◆スケジュール ・12月3日(水曜日)に第1回の検討会を開催 ・以降、1〜2か月に1回程度の頻度で開催 ・平成21年6月中旬,森林における生物多様性保全の推進方策(仮称)の策定,公表 ◆第1回検討会の開催要領 ・日時:平成20年12月3日(水曜日)午後1時30分から3時30分まで ・場所:中央合同庁舎4号館共用会議室(12階1219号室) ・議題 (1)森林における生物多様性保全についての林野庁の取組の現状 (2)その他 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2 都道府県における「森林環境税」の導入状況について ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  近年,森林の有する公益的機能の発揮に対する懸念や地方分権の動きが広がる中で,都道府 県におけるいわゆる「森林環境税」は,森林環境の保全,森林を都道府県民で守り育てる意識 の醸成等を目的として,急速に導入されてきています。  平成15年度に高知県において導入されて以降,本年4月までに29県で導入されており,来年4 月には愛知県においても導入されることとなっています。また,その他の都道府県についても, そのほとんどのところで森林環境税の導入に向けた何らかの動きがあると言われています。  課税の方式は県民税の均等割額への超過課税で,課税額の傾向は,個人の場合は年300円〜 1,000円,多くの県で500円。法人の場合は,資本金に応じた均等割額の5〜11%で,多くの県 が5%を採用しており,金額は年1,000円〜4万円となっているようです。また,税収額は県に よって幅があり,最も多い県では40億円,少ない県では2億円程度のようです。  税収により実施される事業は大きくハードとソフトに分けられ,前者は公益的機能の発揮を 目的とした奥地水源地域の森林整備や里山整備等,後者は県民意識の醸成を目的とした普及啓 発,森林環境教育やボランティアへの支援,県産材等の利用促進等に充てられているようです。  税収の運営方法については,多くの県で,税収を基金として積み立てて事業が行われていま す。また,事業に対する県民意見の反映や透明性の確保等のため,一般県民や学識者等で構成 する運営委員会が設置されているのが一般的なようです。  これまでに導入されている又は導入が決まっている30県を導入年度別に見ると,次のとおり となっています。 ◇平成15年度:高知県 ◇平成16年度:岡山県 ◇平成17年度:鳥取県,島根県,山口県,愛媛県,熊本県,鹿児島県 ◇平成18年度:岩手県,福島県,静岡県,滋賀県,兵庫県,奈良県,大分県,宮崎県 ◇平成19年度:山形県,神奈川県,富山県,石川県,和歌山県,広島県,長崎県 ◇平成20年度:秋田県,茨城県,栃木県,長野県,福岡県,佐賀県 ◇平成21年度:愛知県 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3 森林体験活動の安全について<8> 「判例からみた森林体験活動の安全管理(3/5)」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  林野庁監修の「森林体験活動指導者のための安全管理ハンドブック」((社)全国森林レクリ エーション協会発行)から,森林体験活動における安全管理のポイントを概観しています。  今回はその8回目,「判例からみた森林体験活動の安全管理(3/5)」です。 ◆イベントの募集案内等に記載されている免責条項の有効性について  参加者に対して「当団体では,事故が起きた場合の責任は一切を負いません」と書いた書面 を提示して同意の旨署名させる全部免責同意書というものを見かけますが,これは過去の判例 において全て無効とされています。人の生命にかかわる権利をあらかじめ放棄させるような契 約は公序良俗違反で無効であるというのが確定した判例法理です。  特に,平成13年4月1日に施行された「消費者契約法」では,指導者の過失の有無,過失の程 度いかんにかかわらず,生じた損害を全て免除するという契約は無効を明記されています。た だし,消費者契約法は,指導者側の過失が軽微な場合に生じた損害の一部を免除するという一 部面積同意書の有効性については今のところ触れていません。今後,これが訴訟での争点にな ってくると思われます。 ◆事前説明会での参加者との質疑記録について  主催者や指導者側としては,事前説明会等で危険についてしっかりと説明しましたという形 で議事録なり,説明書を取っておくことは,後々説明を受けなかったという人が出てきた場合, その説明の有無が争点となるような訴訟では有利な証拠になります。 ◆指導者がボランティアである場合の損害賠償責任について  指導者側がプロであろうとボランティアであろうと,安全に活動を終えるのが指導者の法的 な義務です。そうした義務に違反したとなると,当然に損害賠償責任は問われます。例えば, 道迷いなどによる場合,下見を怠ったとか,天候の急変を予見できなかったとか,そうした過 失が問われることになります。従って,ボランティア活動であっても,それなりの賠償金が科 せられることがあります。 ◆鎌や鉈等の危険な道具を使った活動における法的責任について ◇危険な道具を使う活動においては,指導者はその道具の危険性を熟知して,その道具から生  ずる危険を予見し回避する義務があります。その道具の特性から危険が予見できる場合には,  参加者が間違った行動をとらないように,しっかりと指導監督する義務があります。 ◇参加者の数が多すぎて指導監督が行き届かないような場合には,参加者の数を限定するなど,  指導者がしっかりと監督できる体制を整えることが大切です。危険な道具について熟知して  いるのは指導者ですから,指導者には参加者に誤った道具の使わせ方をしないよう参加者を  指導監督する責任が問われます。 ◇参加者が指導者の指導に反した道具の使い方を行い,それにより事故が生じた場合,指導者  が参加者のそのような間違った使用方法について一般に防止することが期待できなかったよ  うな場合には,指導者に過失はなく,参加者が自らの事故の結果を負担することになります。  (次号4/5に続きます。) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4 <レポート> 第6回「子ども樹木博士リーダー交流会」の開催状況 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  昨日の11月30日(日)午後,神奈川県藤沢市の日本大学生物資源科学部において,子ども樹 木博士認定活動推進協議会主催の「子ども樹木博士リーダー交流会」が開催されました。  本交流会は,子ども樹木博士認定活動を実施されている団体や個人,これから実施してみた いと考えておられる方,この活動に興味や関心のある皆さんなどの参加により,「子ども樹木 博士」の活動状況や実施方法等についての報告,プログラム体験,意見交換等を行い,子ども 樹木博士認定活動の推進・普及に資するために開催されているもので,今回が6回目となります。 日本大学での開催は平成18年度に続いて2回目となります。  当日は,団体や個人,総勢46人の参加の下,次のプログラムで実施されました。 1) ご挨拶   木平 勇吉 先生 (本協議会会長/東京農工大学 名誉教授)   野口 浩司 室長 (林野庁業務課 国有林野総合利用推進室)   高木 鉄哉 課長補佐 (林野庁計画課 森林総合利用・山村振興室) 2) 活動報告   井上 公基 先生 (日本大学生物資源科学部 教授)   喜来 あゆみ さん (日本大学生物資源科学部 学生)   高津 浩之 先生 (藤沢市立小糸小学校 教諭) 3) 野外体験   飯野 貴美子 さん (日本大学生物資源科学部 学生)   「紅葉するキャンパスで子ども樹木博士の出前授業」(大学構内にて) 4) 意見交換 参加者全員で自由な意見交換等 ◇開催状況の概要は,  http://www.shinrinreku.jp/kyokai/kodomokyou.html#5を開いてご覧下さい。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 5 <アドバイス01> 「野外活動」の指導に当たって ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  野外活動を指導するに当たっては,次のような目的をしっかりと把握した上で展開しなけれ ばなりません。 ◆内面的な体験を重視する  活動の結果よりも,活動を通して体験される参加者個人の主観的な経験が重視されます。し たがって,単に表面的な結果や現象ではなく,参加者一人ひとりの内面的な体験を重んじなけ ればなりません。 ◆潜在的な素質や能力を開発する  参加者各人が潜在的に持っている素質や能力を目覚めさせ,更に伸ばしてやることが重要で す。つまり,新しいことへの興味や今までにない新しい自分を発見させることが目的です。特 に,未経験者,初めて参加するメンバーをどのように活動の中に引き入れていくかは,指導者 にとって極めて重要です。 ◆自発的な統制やマナーを基本とする  野外活動では自由と自発性が重要です。しかし,多くの人たちが同じように野外活動を安全 かつ効果的に楽しむためには,自ずからある程度の統制やルールといったものが必要であるこ とは言うまでもありません。この意味での統制やルールは,参加者自らの自発性に基づいて行 われたならば,これこそ野外活動の目的とするところであり,野外活動が本来のあり方で自由 に行われたと言えるのです。 ◆自然の恵みを最大に利用する  野外活動が何時,何処で行われるかということは,指導者にとって大変に重要なことです。 体育館なのか,バスの中なのか,あるいは,キャンプ場のような自然の中なのかによって参加 者の気持ちが大きく異なるからです。その場所が自然の中であれば,たくさんの野外活動の素 材があり,それらの素材を活動に活用することで,参加者の興味を誘うことができる。その結 果,参加者の参加する態度がより自発的になってくると言えます。(「森林インストラクター 養成講習教科書選集:野外ゲーム(門傳良男先生)」から) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 6 <イベント情報> ◆ ウィークデイフォレスター(さくらの園) (財団法人 おおのじょう緑のトラスト協会) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 本ネットワークの「イベント情報」(http://www.shinrinreku.jp/feenet/einfo/)に登録いた だいたイベントや事務局に連絡いただいた情報等の中から紹介します。――― ◆ ウィークデイフォレスター(さくらの園)  平日に活動できる方を中心に,下草刈りなどの森林整備作業を行っています。活動場所は毎 回変わり,福岡県大野城市にある活動地(森と園が合計5つあります。)をきれいにしていま す。(主催:財団法人 おおのじょう緑のトラスト協会) ◇開催期日 2008年12月17日 ◇開催場所 福岡県 さくらの園 (下大利駅より西鉄バス南山手団地行き 終点「南山手団地」下車徒歩20分) ◇参加費用 なし(参加資格も特になし) ◇応募方法 当日現地へ ◇問合せ先 福岡県大野城市大字牛頸481-1  TEL:092-915-5550 FAX:092-595-4443 E-mail:info@green-onojo.jp  URL:http://www.green-onojo.jp ====================================== ☆ 事務局から ======================================  寒さが一段と増した今日この頃です。また,新型インフルエンザの大流行を懸念するニュー スも流れています。健康に十分留意して,元気に師走を乗り切って新年を迎え,越冬したいも のです。  さて,昨年の11月18日にアップしたWebサイト「森で学ぼう!森林環境教育ネットワーク」が 1年を経過し,また,同じく昨年の12月18日付けで第1号を配信した本メールマガジンも1年 というところです。皆様方には,いろいろな面でご支援,ご協力をいただき,誠にありがとう ございました。  この1年間で,ネットワークの会員数は名目で約590(会員No.に欠番等もあり,実質529(団 体143・個人386)となり,イベント情報,活動事例の紹介,フィールドへのリンク,QandAな ど,その内容の充実に努めていますが,まだこれからというものもあります。  会員の皆様には,引き続きご支援を賜りますよう,よろしくお願いいたします。特に,会員 掲示板やイベント情報,フィールド紹介や活動事例紹介の活用,そして,本メールマガジンへ のご投稿等につきまして,よろしくお願いいたします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 [編集発行]  〒112-0004 東京都文京区後楽1-7-12 林友ビル6F  社団法人 全国森林レクリエーション協会  森林環境教育ネットワーク事務局  TEL:03-5840-7471 FAX:03-5840-7472  E-mail:feenet_info@shinrinreku.jp  URL:http://www.shinrinreku.jp/feenet/index.html ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ======================================          伝えたい木の文化 残したい美しい森     「美しい森林づくり」推進国民運動への参加・協力をお願いします。        ☆「美しい森林づくり」推進国民運動ホームページ☆          http://www.rinya.maff.go.jp/utsukushiimoridukuri.html        ☆美しい森林づくり全国推進会議ホームページ☆          http://www.b-forest.org/ ======================================