◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆   森林環境教育ネットワークメールマガジン 第49号 (平成22年3月15日) ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ( 目 次 )  1 <レポート> 「森林環境教育リーダー研修in岐阜県」を実施して  2 <アドバイス26> 森林生態系:微生物の世界  3 <あんぜん13> 天候の急変に対応できる服装とする(山歩き)  4 <図書紹介> 「間伐と目標林型を考える」(藤森隆郎 著/(社)全国林業改良普及協会)  5 <イベント情報>    ◆「第8回森の“聞き書き甲子園”フォーラム」の開催(森の“聞き書き甲子園”実行委員会)    ◆森のおむすびマーケット「京北の間伐材でマイ箸作り」(おむすびマーケット実行委員会)    ◆春の高尾山:4つの催し物のご案内(関東森林管理局 高尾森林センター)  ☆ 事務局から〜〜〜森林環境教育推進総合対策事業は今月で終了します。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 《メールマガジン・バックナンバーhttp://www.shinrinreku.jp/feenet/php4/mlbk/index.php》 《イベント情報の登録・閲覧http://www.shinrinreku.jp/feenet/einfo/》 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 <レポート> 「森林環境教育リーダー研修in岐阜県」を実施して ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  本研修は「森林環境教育推進総合対策事業」(林野庁補助事業)の一環として実施した もので,昨年度の山形県,静岡県、本年度の兵庫に続いて4箇所目の開催でした。  研修の目的は,地域における森林環境教育活動の現場の指導者を養成することです。本 年2月26〜28日の3日間,内容は,林環境教育とは,学校教育と森林環境教育,参加者を知 る,プログラムの作成,指導法などで,あまり座学にならないよう,参加型,体験型の方 式としました。参加者からは,内容が相互に関連付けられており,分かりやすく,森林環 境教育で何をやればいいのか理解でき,自信につながったとの感想でした。  近郊の4県からの22名の参加者は,日頃の活動の紹介やお互いの思いなどで話が盛り 上がり,森林環境教育活動についてのモティベーションが高まりました。今後の活躍が期 待できます。  ご指導頂いた岐阜森林インストラクター会の皆さん,ご協力頂いた関係の皆様に感謝申 し上げます。(担当:玉置) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2 <アドバイス26> 森林生態系:微生物の世界 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  植物や動物は肉眼的に分かりやすいが,微生物は顕微鏡を使わないと分かりにくいもの です。微生物とは,肉眼で観察し難い生物に対する便宜的総称です。森林土壌の微生物に は,菌類,細菌(バクテリア)類,放線菌類等が含まれます。  菌類は真菌類とも呼ばれ,核膜を持った細胞からなる真核生物であり,カビ,キノコな どが主体です。また,菌類は,菌糸と呼ばれる糸状の細胞からなる多細胞性の生物です。 菌類には,繁殖器官である胞子を作る子実体(キノコ)を作るものがあります。  細菌類と放線菌類は,細胞内に核を持たない単細胞の原核生物です。放線菌類は,糸状 細胞からなり菌類と似ていますが,細菌類と同じ原核生物である点において菌類とは異な ります。  これらの土壌微生物は細胞外に有機物を分解する酵素を分泌し,酵素の作用により低分 子化した有機物を細胞内に吸収します。この作用により,残りの有機物は無機物に還元さ れます。  また,土壌微生物の中には植物の根と共生する微生物がおり,この共生微生物には「菌 根菌」や「根粒菌」等がいます。菌根菌(マツ類やナラ類に多い。)はカビの仲間であり, 水や養分の吸収や土壌微生物に対する抵抗性を増大させる役割を果たし,特にリンの吸収 に寄与するところが大きく,酸性土壌では窒素の吸収に貢献します  根粒菌は細菌か放線菌の仲間であり,空中窒素を有機窒素化合物に固定する能力を持ち, 植物はそれを養分として吸収します。根粒菌はマメ科植物やハンノキ類等に多く,これら の木は痩せ地に育って地力の増進に役立つので,肥料木と呼ばれて痩せ地によく植栽され ます。  菌根菌も根粒菌も植物から炭水化物とエネルギーを得て,植物との間に相利関係を形成 しています。(「森林インストラクター養成講習テキスト選集:森林の生態(藤森隆郎先 生)」から) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3 <あんぜん13> 天候の急変に対応できる服装とする(山歩き) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  山の天気は,平地よりも急激に変化します。特に,雨や霧に遭うことが多く,平地は晴 れていても山は霧の中ということがしばしば起こります。これに備えて,山歩きでは急激 な天候の変化に対応できる服装とします。 ◇衣類は,乾きにくいコットンは避けよう  汗をかいているときに気温が急激に下がると,体温が奪われ命にかかわることがあるの  で,衣類は乾きにくいコットンは避けましょう。また,山歩きでは着替えを必ず用意し  ます。 ◇レインウェアは,防寒着としても保温性がよい  レインウェアは,防寒着としても保温性が良いので,多少高価でも,蒸れにくく蒸気を  発散しやすい素材のものが望まれます。びしょ濡れになっても,重ねて着ているうちに  体温で乾いてしまいます。レインパンツは,靴を履いたまま着脱できるものが便利です。  フードは,雨から頭や顔の濡れを防いでくれます。 ◇スパッツは,靴に入る水を防ぐ  スパッツは,雨天時に足元からの水を防ぎます。雨具だけでは靴下が濡れ,靴に水が入  ります。また,ズボンの裾や靴下の泥汚れを防いでくれます。 ◇レイングローブは必携  風雨に晒されると夏でも手がかじかみます。化繊の手袋は,濡れていても体温で意外と  暖かいものです。インナーグローブを重ねることで,多少の雪でも使用が可能です。        (林野庁監修「森林体験活動指導者のための安全管理ハンドブック」から) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4 <図書紹介> 「間伐と目標林型を考える」(藤森隆郎 著/(社)全国林業改良普及協会) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  間伐林型は,改めて間伐の意味・あり方を問う。  利用間伐が本格化する今,長期的な森づくり,目標とする森林の姿が必要です。それは 林分の目標林型と配置の目標林型の二つを指します。目標林型を考えるとき,間伐のあり 方が改めて問われてくるのです。  本書は,間伐の指針,選木から伐倒までの技術,作業システムと間伐,さらには施業体 系における間伐を整理しました。将来のために必要な目標づくりに必要な考え方と技術情 報をまとめています。(新書判/200ページ/定価1,155円(本体1,100円)) ◆主要目次 1章 間伐と目標林型の意味        2章 間伐の意味を改めて整理する 3章 間伐の基礎知識と応用        4章 間伐の進め方 5章 間伐の作業技術           6章 作業システムと間伐 7章 間伐に対する誤解・疑問のいろいろ  8章 施業体系と間伐 9章 目標林型とその理論        10章 健全な森林の判断要素 ◆申込先・発行所  社団法人 全国林業改良普及協会   〒107-0052 東京都港区赤坂1-9-13 三会堂ビル   TEL03-3583-8461 FAX:03-3584-9126 ホームペーシ:http://www.ringyou.or.jp/  ※ ホームページからオンラインで申込みできます。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 5 イベント情報>   ◆「第8回森の“聞き書き甲子園”フォーラム」の開催(森の“聞き書き甲子園”実行委員会)   ◆森のおむすびマーケット「京北の間伐材でマイ箸作り」(おむすびマーケット実行委員会)   ◆春の高尾山:4つの催し物のご案内(関東森林管理局 高尾森林センター) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 本ネットワークの「イベント情報」(http://www.shinrinreku.jp/feenet/einfo/)にご登 録いただいたイベントや事務局にご連絡いただいた情報等の中から紹介します。――― ◆「第8回森の“聞き書き甲子園”フォーラム」の開催  森の“聞き書き甲子園”は,全国から選ばれた高校生約100人が,森とともに生きる知恵 や技を持つ「森の名手・名人」を訪ね,その知恵や技術,ものの考え方や人となりを“聞 き書き”し,記録する取組です。その成果発表の場としてフォーラムを開催します。フォ ーラムでは,「森の名手・名人」と高校生が「聞き書き」の体験談やエピソードを語るな ど,様々なプログラムを予定しています。(主催:森の“聞き書き甲子園”実行委員会) ◇開催日時 平成22年3月28日(日) 12:45〜16:00(12:10開場) ◇開催会場 江戸東京博物館ホール(東京都墨田区横網1−4−1)        JR総武線「両国駅」西口徒歩3分・都営大江戸線「両国駅」A4出口徒歩1分) ◇主な内容  ・森の名手・名人への認定証授与及び高校生への「聞き書き修了証書」の授与  ・基調講演「農山漁村の暮らしと価値観」 講師:内山節氏(哲学者)  ・優秀作品賞及び優秀写真賞の授与  ・「森の名手・名人」と高校生へのインタビュー     (コーディネーター:阿川佐和子氏,塩野米松氏)  ・取材記録の上映,「共存の森」の活動紹介  ※ 高校生たちが撮影した、名人約100人の写真もロビー展示 ◇参加方法については,次のURLを開いてご覧ください。  URL:http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/hozen/pdf/100305_1-01.pdf ◆森のおむすびマーケット「京北の間伐材でマイ箸作り」  森のおむすびマーケットは,地産地消と手作りの暮らしを応援する市です。安全で環境 に配慮されて育った農作物と手づくりの食品や工芸品に囲まれた暮らし。そんな人と自然 が調和したぬくもりのある暮らしを目指して。今回のテーマは,使い捨て文化の象徴,割 箸を考えよう。  環境保護や低炭素社会の実現などの観点から,エネルギーや資源を無駄なく使っていく という取り組みがいろいろと行われています。これまで環境破壊や使い捨て文化の象徴と されてきた割箸が,実は資源を無駄なく使うという『もったいない』文化が原点だったの です。国産の間伐材の有効活用として生まれた割箸が,今では割箸製造のためだけに外国 産材が伐採され環境に負荷を与えてしまっています。間伐材と森の循環の大切さのおはな しをして,京北の間伐材を使用したマイ箸作りワークショップをします。(主催:おむす びマーケット実行委員会) ◇開催日時 2010年4月18日(日) 9:00〜16:00頃 ◇開催場所 京都市京北森林公園(京都市右京区京北塔町愛宕谷25-3)          (京都市内より車で1時間/JR京都駅からバスで約1.5時間) ◇主な内容  ・手づくり市:趣旨に賛同していただけるお店50店舗(入場は無料)  ・ワークショップ   間伐材のおはなし・京北の間伐材でマイ箸作り(参加費:1,500円(材料費・保険料込))   おはなし:幹田秀和氏(間伐材研究所/綾部)/木工指導:江口喜代志氏(工房仙太/京北)   申込締切り:4月13日(火)/定員:20人/申込方法:ホームページ又はメール ◇URL: http://omusubi.keihoku.jp/をご覧ください。 ◆春の高尾山:4つの催し物のご案内(関東森林管理局 高尾森林センター) ◇「高尾山で春の野草を探す」  ・日時等 平成22年4月8日(木) 日影沢キャンプ場集合9:45受付〜15:25現地解散  ・内容等 春の日影沢を散策しながらスミレ類やニリンソウなどを観察します。  ・人数等 30名(参加費 1人1,000円) ※申込締切り:3月25日必着 ◇「春の高尾山親子自然観察会」  ・日時等 平成22年4月17日(土) 高尾駅北口集合8:45〜ケーブルカー高尾山駅前15:00解散  ・内容等 森林インストラクターのガイドで日影沢(いろはの森)から高尾山を散策します。  ・人数等 小学生以上の親子50名(参加費1人500円) ※申込締切り:4月3日必着 ◇「高尾山でカメラスケッチング」  ・日時等 平成22年4月22日(木) 日影沢キャンプ場集合9:45受付〜15:25現地解散  ・内容等 自然の中で,全日本山岳写真協会の講師から撮影技術の指導を受けます。  ・人数等 50名(参加費1人1,000円,持ち物はカメラ・三脚等)                            ※申込締切り:4月8日必着 ◇「春の花観察と花のスケッチ」  ・日時等 平成22年5月15日(土) 日影沢キャンプ場集合9:45受付〜15:25現地解散  ・内容等 春の花のスケッチ,日本野草画会の講師から野草画の指導を受けます。  ・人数等 20名(参加費1人1,000円,持ち物は4B鉛筆・色鉛筆・画用紙等)                            ※申込締切り:4月28日必着 ◇申込方法  往復はがきにより,1)参加希望のイベント名,2)郵便番号,3)住所,4)氏名,5)年齢,  6)電話番号等を記入し,返信面に宛名を明記のうえ,次の連絡先までお申し込みくださ  い。 ◇連絡先  関東森林管理局 高尾森林センター   〒193-0844 東京都八王子市高尾町2438-1   TEL:042-663-6689 FAX:042-663-7229   URL:http://www.rinya.maff.go.jp/kanto/takao/index.html ====================================== ☆ 事務局から〜〜〜森林環境教育推進総合対策事業は今月で終了します。 ======================================  このメルマガを配信している「森林環境教育推進総合対策事業」(林野庁補助事業)が 今月で終了します。本事業は,平成19年度から3年間実施されてきました。  何れこれまでの実施結果等がまとめて報告されることになると思いますが,これまでの 3年間に,森林環境教育活動を推進する人材を育成するため,「森林環境教育マネージメ ント研修」や「森林環境教育リーダー研修」の開催,そうした研修のための教材等の作成, プログラム・アクティビティ集の作成,ホームページの開設・運営,メールマガジンの配 信,各種の普及啓発パンフレットの作成・配布,活動フィールド等の評価項目の検討・作 成,各種の調査等々,多岐にわたり,正に総合対策事業が実施されてきました。  こうした事業の実施に際していろいろとお世話になった皆様,ネットワークにご登録い ただいた皆様をはじめ関係の皆様には,事務局一同,この場をお借りして厚くお礼申し上 げる次第です。ありがとうございました。  さて,事業の終了に伴ってネットワークのウェブサイトとメールマガジンを今後どうす るかということで頭を悩ませておりますが,どんな形でもよいから残して続けてほしいと いう声もあり,ウェブサイトについては,少し変わるところもあると思いますが,当面は 運営を続ける方向で考えているところです。  また,メルマガにつきましては,ネットワークの会員数も増えてきており,関係の皆様 のご協力をいただく中で,これまでのように定期的な配信は難しいとしても,不定期な形 ででも,できるところまで続けていくこととしました。  皆様には,各種の情報連絡はもとより,関連記事の寄稿等,これまで以上のご支援をい ただきますよう,よろしくお願い申し上げます。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ☆☆☆ご投稿等はE-mail:feenet_info@shinrinreku.jpまでお寄せください。 [編集発行]  〒112-0004 東京都文京区後楽1-7-12 林友ビル6F  社団法人 全国森林レクリエーション協会 森林環境教育ネットワーク事務局  TEL:03-5840-7471 FAX:03-5840-7472 E-mail:feenet_info@shinrinreku.jp  URL:http://www.shinrinreku.jp/feenet/index.html 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★          伝えたい木の文化 残したい美しい森     「美しい森林づくり」推進国民運動への参加・協力をお願いします。        ☆「美しい森林づくり」推進国民運動ホームページ☆          http://www.rinya.maff.go.jp/utsukushiimoridukuri.html        ☆美しい森林づくり全国推進会議ホームページ☆          http://www.b-forest.org/ ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★