◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆          森林環境教育ネットワークメールマガジン                第 5 号              (平成20年3月3日) ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ( 目  次 )  1 「森林環境教育コーディネーター研修」について(実施報告)  2 森林環境教育 〜ボルネオ島の事例紹介〜  3 国有林の「遊々の森」について  4 文部科学省スポーツ・青少年局青少年課からのお知らせ  5 <投稿> 「まちの森林(もり)づくり10余年」住民ボランティア奮戦記  6 森林体験活動とマナー <1> 「森へ出かけよう!」  ☆ 事務局から ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 「森林環境教育コーディネーター研修」について(実施報告) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  本研修は,本年度から社団法人全国森林レクリエーション協会が実施している「森林 環境教育推進総合対策事業」(林野庁補助事業)の一環として実施したもので,その目 的は,これから地域における森林環境教育活動をより積極的に推進しようとする森林イ ンストラクターなどを対象として,学校教育や河川・農業等の分野における環境教育と の連携を図り,都道府県域における森林環境教育活動の推進・拡大のための中核となる 者を養成することです。  研修は2月22〜24日の3日間,内容は小中学校における環境教育,河川・農業等 における環境教育,企画作りの基本と実践,事業マネージメント,グループ討議等でし た。  研修の特徴は,@体験学習型,即ち短い講義の後,自らが課題について考え企画し, 相互の評価を経て修正し取りまとめる,A自ら講義を行うほか,全ての講義に同席して 要所でポイントをコメントする講師がいる,B3日間の講義を進行するファシリテータ ーが研修生の動きを見て,講師や研修スタッフと翌日の研修内容の調整を行うなど,講 師・ファシリテーター・スタッフの間の連携が蜜なことです。  参加者からは,全体が非常に分かりやすくスムーズな進行であった,企画の立て方や マネージメントについて改めて体系的に理解でき,実践で役に立つとの感想がありまし た。  今回参加の森林インストラクターは,北海道から岡山県まで25人,20歳代から70 歳代と年齢幅の広い方々でした。初対面の人同士ですが,休憩時間には直ぐにも自己紹 介やら,活動内容の情報交換やら,お互いの夢などで話が盛り上がっていました。  3日間にわたりご指導いただいた都留文科大学の高田研先生,(財)キープ協会の増田 さんをはじめ,多くの講師や関係の皆さんに感謝申し上げます。((社)全国森林レクリ エーション協会:玉置) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2 森林環境教育 〜ボルネオ島の事例紹介〜 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ボルネオ島のマレーシア,サバ州森林局の環境教育施設Raiforest Discovery Centre のご紹介と,そこで実施されている教員に対する環境教育研修についてご紹介いたしま す。  成田空港から直行便で5時間ほどでサバ州の州都コタキナバルに到着します。今回ご 紹介するRainforest Discovery Centreは,そこからさらに飛行機で45分,サンダカン市 のセピロックというところに位置しています。サンダカンといえば,からゆきさんの人 生を描いた『サンダカン八番館』や材木の町として日本でも知られてきましたが,近年 のイメージは,オランウータン・リハビリセンターを擁するネイチャー・シティー。東 南アジア最高峰キナバル山登山やマングローブ林のクルージングのような自然体験を目 玉とした観光に人気が高まる中,日本人観光客もこの地を訪れるようになっています。  Rainforest Discovery Centreは,サバ州森林局の環境教育ユニットが運営するネイチ ャーセンターです。センターでは,地元の児童・生徒の訪問を受けて環境教育プログラ ムを実施したり,地域住民に対する環境啓発活動を行っています。  2005年5月から2年4ヶ月間,私はここで青年海外協力隊員として活動していました。 直接環境教育に携わるスタッフは,女性ばかり4名。残業,休日返上もいとわない彼女 達の姿勢には,私も大きく影響を受けました。  センターには,ボルネオ島の熱帯雨林とそこに住む生物についてのハンズオン展示や パネルが設置されているホール,珍しい植物を集めた植物園,トレイル,そして地上20 メートルほどに上って樹幹を眺めることのできる「キャノピーウォーク」があります。  週に1,2回は地元の児童・生徒や兵役中の学生のグループがセンターを訪問し,ス タッフから熱帯雨林の話を聞いたり,森や植物園での自然体験を行ないます。  ここ2年ほどセンターが力を入れて取り組んでいるのが,教員に対する環境教育研修, その名もEERace。  EERaceは講義形式を取らない研修です。コースの前半で,参加者はグループごとに森 林・野生生物・人間活動に関する課題を与えられます。例えば,「第1日目午前:オラ ンウータン・リハビリ・センターへ行き,オランウータンの保護活動について調査し報 告せよ」。各グループは指定された場所へ行き,観察や関係者へのインタビューを行い, 夜のセッションで他のグループに報告します。コース後半には,コース前半の内容を反 映させた教案を作成し,学校で実際に授業を行います。  従来行ってきた教員対象の研修を見直し,学校の現状と教員のニーズに合った研修を 再設計するために,スタッフとかつての研修参加者が知恵を出し合って企画した研修で す。参加する教師自らが体験を通して学び,それを授業に応用できるようになることが 目的。プレゼンテーションや授業を参加者が相互に評価し,グループごとに競い合うレ ース形式をとることも,現地の教育関係者の興味を引く要因となりました。マレーシア 国内の大学や行政機関,JICA等が関心を示し,スポンサーとなって年に2回のペースで EERaceを実施しています。  今回は,マレーシア,サバ州で熱帯雨林を守るために環境教育に取り組む施設を紹介 させていただきました。環境問題は,国境を越えて取り組んでいかなくてはならない課 題です。途上国の問題意識や問題に対する解決方法は,先進国のものとは異なることも あるかもしれません。しかし,どんな国,地域でも,自分達自身の問題として環境問題 に向き合っている人々がいます。視野を広げ,多くの人と出会い,それぞれの実践から 学ぶことが大切だと感じています。((財)キープ協会環境教育事業部(元青年海外協 力隊員) 鈴木サヤカ) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3 国有林の「遊々の森」について ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  豊かな森林環境に恵まれた国有林は,子どもたちの「生きる力」をはぐくむために体 験活動等を行う最適のフィールドです。「遊々の森」(ゆうゆうのもり)は,こうした 国有林の豊かな森林環境を子どもたちに提供して,様々な自然体験や自然学習を進めて いくための仕組みです。  学校,地方公共団体,NPO,企業等が地域の森林管理署と協定を結ぶことにより, 学校教育における「総合的な学習の時間」等の中で,様々な体験活動や学習活動を行う フィールドとして継続して利用できるようにしたものです。  「遊々の森」では, ◇ 植樹,下刈等の林業体験,森林や動植物の観察,ネイチャーゲーム,隠れ家づくり,  沢遊びなど,森林の中で遊び・学ぶ活動ができます。 ◇ 「総合的な学習の時間」での体験活動や緑の少年団等を通じた学校以外の体験活動  等の場として利用できます。 ◇ 地域の森林管理署が,助言,活動プログラムの提供,指導者の紹介,必要な情報の  提供等のサポートを行います。  「遊々の森」の手続きとしては,利用する学校,地方公共団体,NPO,企業等と森 林管理署が相談して「遊々の森」のカ所を決め,活動の実施等に関する協定を結ぶこと が必要です。この協定の期間は5年以内で,更新することが可能です。また,「遊々の 森」には,活動団体が独自の名称をつけることもできます。  森林で遊んで,学んで,楽しむ。「遊々の森」については,地域の森林管理署にご相 談下さい。森林管理署が分からないといった場合は,次のURLを開いて,「お問い合せ 先」の森林管理局にご連絡下さい。http://www.kokuyurin.maff.go.jp/kokuyu_Wood_Ex02_1.html ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4 文部科学省スポーツ・青少年局青少年課からのお知らせ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  文部科学省,農林水産省,総務省の連携による『子ども農山漁村交流プロジェクト』 が平成20年度からスタートします。この事業は,農山漁村において,小学生が学年単位 で1週間程度,農山漁村での生活や農林水産業を体験したり,自然体験活動に取り組む 活動を3省連携して推進していこうとするものです。  青少年課では,この取組を支援するために,『青少年体験活動総合プラン』を新たに 実施することとしました。農山漁村における小学校の長期体験活動を実施する際に必要 となる『指導者の養成』と『プログラム開発』に取り組む事業です。  現在,文部科学省のホームページでこのプロジェクトを公募中(締切は平成20年3月14 日)です。 文部科学省HP ◇トップページ(http://www.mext.go.jp/) ◇おしらせ 公募情報(http://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/index.htm) ◇「青少年体験活動総合プラン」に関する企画公募について (http://www-gpo3.mext.go.jp/MextKoboHP/list/kpdispDT1.asp?id=KK0000560)  今後は,実際に行われる指導者養成研修会に関する情報等も発信したいと考えており ますので,いろいろな形でご支援いただければ幸いです。 【問い合わせ先】  〒100-8959 千代田区霞が関3−2−2  文部科学省スポーツ・青少年局青少年課  担当 山中、関根  TEL:03-5253-4111(内線2056)  FAX:03-6734-3759 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 5 <投稿> 「まちの森林(もり)づくり10余年」住民ボランティア奮戦記 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  先日,社団法人日本森林技術協会から会員向けの機関誌として毎月送られてくる「森 林技術」と一緒にB5サイズの図書が送られてきました。その題名が『「まちの森林(も り)づくり10余年」住民ボランティア奮戦記』(金本一夫・宮下國弘 著/社団法人日 本森林技術協会発行)です。  本書は,東京都内,敷地面積12.4ha,住居数約19百戸,住民約62百人の大規模集合住 宅群敷地内にある約4.5haの豊かな緑地の管理を巡って住民が取り組んできたこと,住 宅建設時に植栽された樹木の生長に伴う密林化,生長した樹木による住宅への日照障害 等から始まるボランティア活動,ボランティア組織の設立,その取組状況等を取りまと めたもので,社団法人日本森林技術協会の「日林協大賞」の受賞作品です。  また,本書で取りまとめられているボランティア活動は,これまでいろいろな新聞や テレビなどでも紹介されているとともに,他の団地や公団,行政等からの見学や取材を 数多く受けています。そして,都市の緑化や環境保全にかかわる建設大臣賞等を受賞し ています。  本書のご案内には,「まちの森林(もり)づくりに立ち上がった住民ボランティア活 動のさまざまな試みと失敗。都会の大規模集合住宅地内にある雑木林の管理を巡る苦闘 を取りまとめたもの。マンション管理組合必読。」とあります。関心のある方は社団法 人日本森林技術協会(03-3261-6952)まで。(TO) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 6 森林体験活動とマナー <1> 「森へ出かけよう!」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  森は,いろいろな恩恵を私たちに与えてくれます。いろいろな生き物が暮らす場にな ったり,私たちの家を建てる木材をプレゼントしてくれたり,地球の温暖化防止に一役 買ってくれています。森が荒廃したり,なくなったりすると困ることがたくさんありま す。  また,森は,山菜採りやハイキング,動植物の観察や林業体験など,私たちにさまざ まな楽しみを与えてくれます。このコーナーでは,森に入って何かをしようと思ってい る人に,森で気をつけてほしいことを連載します。  手つかずの自然が残されている原生林,カブトムシやクワガタがいる雑木林,林業家 の方々が育ててきた人工林など,いろいろな森があります。こうしたさまざまな森に共 通すること,それは「森には必ず持ち主がいる」ということなのです。あなたの家の庭 に知らない人がやってきて勝手なことを始めたら,あなたはどう思いますか。  森は私たちのいろいろな活動の場となってくれますが,「森には必ず持ち主がいる」 ということを考えれば,守らなければいけないマナーがあることも理解していただける でしょう。むずかしいことはありません。  これから連載するマナーを守って森に飛び込んで下さい。森は,すばらしく楽しい経 験をあなたにプレゼントしてくれるはずです。(「もりのマナー」から) ====================================== ☆ 事務局から ======================================  本ネットワークの主な目的は,会員の相互交流と情報交換,情報の発信です。季節も ほんの少しずつですが春の息吹が感じられる今日この頃,野外活動の開催準備等もいよ いよ本格的となる時期です。本ネットワークのイベント情報等を活用して下さい。また, イベント等の成果や報告等をお送り下さい。できるだけメールマガジンにも掲載させて いただきたいと考えています。  また,本ネットワークがアップされて3カ月が経過し,会員の登録者数は順調に増え て,団体○○○,個人○○○となっていますが,まだ旧ネットワーク時代までは回復し ていません。会員の皆様からも口コミなどを含めて情報伝達等をよろしくお願いします。 [編集発行]  〒112-0004 東京都文京区後楽1-7-12 林友ヒ゛ル6F  社団法人 全国森林レクリエーション協会  森林環境教育ネットワーク事務局  TEL:03-5840-7471 FAX:03-5840-7472  Eメール:feenet_info@shinrinreku.jp  URL:http://www.shinrinreku.jp/feenet/index.html ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ======================================= === 「美しい森林づくり」推進国民運動への参加・協力をお願いします。 === ====== ☆「美しい森林づくり」推進国民運動ホームページ☆ ======= ======== http://www.rinya.maff.go.jp/utsukushiimoridukuri.html  == ====== ☆美しい森林づくり全国推進会議ホームページ☆ ========= ======== http://www.b-forest.org/ ================= 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