◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆   森林環境教育ネットワークメールマガジン 第52号 (平成22年5月15日) ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ( 目 次 )  1 世界の森林消失は減少へ,しかし,多くの国で依然警戒を要する  2 平成21年度森林・林業白書の公表  3 <アドバイス29> 森林の構造  4 <関連用語03> 国際生物多様性の日  5 <あんぜん16> 転倒によるケガを防ぐためにはどうしたらよいか(山歩き)  6 <イベント情報>    ◆千葉県立館山野鳥の森のイベント(館山野鳥の森管理事務所)    ◆森林と野鳥に親しむつどい(日光森林管理署)    ◆親子の森林体験教室(中部森林管理局)    ◆平成22年度森林ふれあい推進事業(東北森林管理局)  ☆ 事務局から 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 森で遊ぼう!! 森林環境教育ネットワークhttp://www.shinrinreku.jp/feenet/index.html 《メールマガジン・バックナンバーhttp://www.shinrinreku.jp/feenet/php4/mlbk/index.php》 《イベント情報の登録・閲覧http://www.shinrinreku.jp/feenet/einfo/》 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 世界の森林消失は減少へ,しかし,多くの国で依然警戒を要する   ―FAO(国連食糧農業機関)が世界の森林資源評価の主要な調査結果を発表― ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  今年3月のFAOの発表によると,主に熱帯林を農業用地に転用するために生じている世界 の森林消失は,過去10年間は減少しているものの,多くの国では依然警戒を要する高い 確率で継続されているとのこと。  FAO の「2010年世界森林資源評価」によれば,世界の森林が他の転用されたり,自然災 害で失われた面積は,1990年代の年間約1,600万haに対し,2000年から2010年までは年間で 約1,300万haと減少しています。特に,ブラジルやインドネシアの森林消失は1990年代に最 も大きく,最近では消失率が顕著に減少しており,ブラジルは1990年代の年間約290万haか らこの10年は年間約260万haに,インドネシアは約190万haから約50万haとなっています。  加えて,中国,インド,米国,ベトナムなど各国での意欲的な造林計画と一部の地域で の自然増が重なり,年間約700万ha以上の新たな森林面積の増加がみられ,結果的に森林の 純減少面積は,1990年代の年間約830万haから2000年から2010年までは年間約520万haと大 きく減少しています。  地域別に見ると,南アメリカやアフリカでは,2000年から2010年に最大の年間森林消失 があり,それぞれ年間400万ha,340万haが失われました。また,オセアニアも,オースト ラリアで2000年以降発生している深刻な干ばつにより純消失を記録しているとされていま す。  アジアでは,主に中国やインド,ベトナムにおける大規模植林プログラムによって,こ の5年で年間400万ha近く森林面積が拡大したことにより,この10年に年間約220万haの純増 加を記録しました。しかし,多くの国では依然として高い率で森林を他の用途に転換して いるとされています。  北米や中米では,森林面積は比較的安定して推移しています。また,欧州では増加を続 けてはいるものの,以前より増加率は低下しているとされています。  こうしたことから,FAOの担当者は,「地域及び国際的なレベルでの協調のとれた努力に より,我々は初めて森林消失率が世界的に減少したことを報告できる。」とした上で,「多 くの国では依然として森林消失率は非常に高く,人間の活動の影響を受けていない原生林 も減少を続けているため,各国は今後もより良く保全・管理する努力を強化しなければな らない。」と述べています。  なお,FAOの「世界森林資源評価」は5年毎に発表されるもので,2010年世界森林資源評 価には,178カ国の900名以上の専門家が携わっています。本評価の主報告書は2010年10月 に発表される予定とのことです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2 平成21年度森林・林業白書の公表 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆4月27日,「平成21年度森林及び林業の動向並びに平成22年度森林及び林業施策」,いわ ゆる平成21年度森林・林業白書が国会提出案件として閣議決定され,林野庁から公表され ました。 ◆林野庁の説明では, ◇平成21年度森林・林業白書は,森林の持つ多面的機能の発揮と林業の持続的かつ健全な  発展を図るために進めている各般の施策を分かりやすく記述しています。 ◇今回の白書は,冒頭のトピックスで昨年12月に発表した「森林・林業再生プラン」を取  り上げるとともに,公共建築物などへの木材の新たな利用等を紹介しました。 ◇また,本編では,第I章の特集章で,路網の整備や林業の機械化,施業の集約化,人材の  育成など,我が国林業の再生に向けた生産性向上の取組を幅広く紹介しました。 ◇さらに,第II章以降の各章では,地球温暖化対策,森林の整備・保全,林業・山村,林  産物・木材産業,国有林野の各分野における主な動向を紹介しました。 とのことです。 ◆平成21年度森林・林業白書は,次のURLを開いてご覧ください。  URL:http://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/index.html ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3 <アドバイス29> 森林の構造 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  デボン紀(4億〜3億5千万年前)の初めには背丈がわずかに数センチメートルであったシ ダ植物がその後半になると背丈が20〜30mを越す巨大な植物にまで進化し,森林の景観が 広がるようになりました。  樹木(森林)の出現は陸上に陰影のある空間を作るようになり,それが様々な生物の育 成可能な空間を提供するようになり,生物の多様な進化を促す生態系を形成するようにな りました。様々な耐陰性を有する植物が適応進化し,それを餌にしたり,繁殖場所やねぐ ら,避難場所にする動物が適応進化して複雑な生態系を形成するようになりました。  高木性の樹木は数百年という寿命の長いものが多いが,巨大になると自らを支える力が 落ちて風で倒れたり,病虫害に対する耐性が落ちたりして,老齢段階の優勢木の中に衰退 木,立枯れ木,倒木が生じるようになります。また,若齢林や成熟林の段階においても, 強風等の強い攪乱があると,優勢木の中に倒れたりするものが生じます。そのような攪乱 (風,火災,生物害,伐採等)によって生じた林冠の孔を「ギャップ」といいます。  攪乱によって生じたギャップは光環境がよくなり,それまで成長の抑えられていた下層 の植生や新たに生えてきた植生が育ちやすい環境となります。そのためにギャップの形成 から時間がたつにつれて,周辺の林木とギャップ内の林木との大きさの差が小さくなりま すが,周辺よりも低いことがはっきり識別できる間は,その部分をギャップといいます。 また,逆に周辺よりも高い一群の部分を「クランプ」といいます。  こうしたギャップやクランプのように周りと構造の異なる部分を「パッチ」といい,パ ッチの多い森林をパッチ構造の発達した森林といいます。パッチ構造の発達した森林は, 上下方向の階層構造も多様になります。極相林(老齢林)は,一般にパッチ構造と階層構 造が発達しています。それに対して若齢林はそれらの構造が一般に乏しいのです。(「森 林インストラクター養成講習テキスト選集:森林の生態(藤森隆郎先生)」から) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4 <関連用語03> 国際生物多様性の日 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  毎年5月22日は,「国際生物多様性の日」(International Day for Biological Diversity, World Biodiversity Day)です。生物の多様性が失われつつあることやそれにかかわる諸 問題について人々に広く認知していただくために国連が制定した記念日で,1993年に地球 上の生物の多様性の保全などを目的とした「生物の多様性に関する条約」が発効したこと を記念して定められたものです。  来る5月22日の国際生物多様性の日には,現地時間の午前10時に,世界各地の青少年の手 で植樹等を行う「グリーンウェイブ」(この植樹等の行動が地球上を東から西へ波のよう に広がっていく様子:緑の波)の実施が,生物多様性条約事務局により呼びかけられてい ます。環境省,国土交通省及び林野庁は,3月1日から5月31日までの期間,「グリーンウェ イブ2010」として広く参加を呼びかけています。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 5 <あんぜん16> 転倒によるケガを防ぐためにはどうしたらよいか(山歩き) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  山歩きでは,転倒による骨折,打撲,捻挫に注意する必要があります。何でもない場所 で起きることが多いため,最も防ぎにくい事故の一つです。 ◇足首を保護するトレッキングシューズを履く  募集パンフレットなどで,滑りにくい靴底,足首をきちっと保護するトレッキングシュ  ーズを履くよう指示します。 ◇滑りやすい岩や浮き石に注意するよう指導する  普段は滑りにくい岩でも,雨や露に濡れると格段に滑りやすくなります。岩に張り付い  ている苔や岩の上に積もっている落ち葉はとても滑りやすいこと,不安定な浮き石があ  ることなどを知らせて,その危険性についてあらかじめ指導します。 ◇つまずきやすい場所だと感じたら,その場ですぐに注意する  浮いた木の根,堆積した落ち葉に隠れた木の切り株等,つまずきやすいと感じたら,そ  の場で注意を促します。また,このことを後続の者に伝達します ◇下り坂では,ゆっくりした速度で下る  下り坂になると,勢いにまかせて速度が速くなります。下り坂では,全体がゆっくりと  した速度となるようスピードを緩めます。 ◇まめに休憩をとる  転倒は,疲労したときや足に負担がかかるような下り坂で起きやすいものです。まめに  休憩をとって疲労を防ぐようにします。        (林野庁監修「森林体験活動指導者のための安全管理ハンドブック」から) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 6 <イベント情報>   ◆千葉県立館山野鳥の森のイベント(館山野鳥の森管理事務所)   ◆森林と野鳥に親しむつどい(日光森林管理署)   ◆親子の森林体験教室(中部森林管理局)   ◆平成22年度森林ふれあい推進事業(東北森林管理局) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 本ネットワークの「イベント情報」(http://www.shinrinreku.jp/feenet/einfo/)にご登 録いただいたイベントや事務局にご連絡いただいた情報等の中から紹介します。――― ◆千葉県立館山野鳥の森のイベント(主催:館山野鳥の森管理事務所) ◇平成22年5月23日(日)  新緑に彩られた野鳥の森をハイキングします。好天に恵まれると,富士山や大島が望ま  れるコースです。野鳥の森で一番高い天神山へゴー! ◇平成22年6月13日(日)  野鳥の森ボランティアといっしょに野鳥観察。 ◇平成22年6月27日(日)  野鳥の森ボランティアを講師に初夏のキノコを観察します。 ※開催場所  千葉県立館山野鳥の森(内房線館山駅下車JRバス安房神戸廻り白浜行きにて約20分「安  房神社前」下車徒歩7分) ※参加資格一般/参加費用500円 ※応募方法 電話で受付(締め切りは開催期日の前日まで) ※問合せ先 館山野鳥の森管理事務所(千葉県館山市大神宮553)        TEL:0470-28-0166  FAX:0470-28-0187        URL:http://www.chiba-forest.jp/yachou/ ◆森林と野鳥に親しむつどい  次のとおりイベントを開催します。日光小倉山で「野鳥の森」を守るボランティア活動 を体験しましょう。(主催:日光森林管理署ほか) ◇日時 平成22年5月30日(日) 9:00(受付)〜14:00頃 ◇場所 日光市小倉山国有林内「小倉山野鳥の森」      (集合場所:日光市所野 日光霧降スケートセンター第2駐車場) ◇参加 参加費1人200円(保険加入料・中学生以下無料)     ※持参するものなど:昼食,雨具(雨合羽等),森の中を歩ける服装・足回り(双      眼鏡は準備してありますが,持っている方は持参してください。) ◇問合せは,日光森林管理署 森林ふれあい係(TEL:0288-22-1069)まで。  URL:http://www.rinya.maff.go.jp/kanto/koho/event/index.html#syo ◆親子の森林体験教室  新緑がまぶしい春の戸隠高原で,山の仕事を体験しながら,森林の働きや役割について 親子で学ぼう。長野市及び近隣市町村在住の小中学生の親子の皆さんを対象に,職場見学 や林業体験,自然観察等を通じ,森林の素晴らしさや働き,役割について親子で一緒に学 んでいただくために開催します。(主催:中部森林管理局) ◇日時 2010年6月5日(土) 集合8:15〜解散16:30頃     集合(バス乗車地点):1)JR長野駅東口(8:30発),2)中部森林管理局(8:35発) ◇場所 戸隠高原(戸隠森林植物園及びその周辺),長野市街(住宅を新築中の現場ほか) ◇募集 定員40名(申込みは5月26日(水)まで,定員になり次第締め切り) ◇参加費 大人1,000円・中学生以下500円(インストラクター料・バス代・保険料等) ◇参加申込みなどについては,次のURLを開いてご覧ください。  URL:http://www.rinya.maff.go.jp/chubu/koho/event/index.html ◇問合せ先 中部森林管理局 指導普及課 緑の普及係(塩島) TEL:050-3160-6548 ◆平成22年度森林ふれあい推進事業(東北森林管理局)  中部森林管理局管内における局・署・センターの平成22年度森林ふれあい推進事業の実 施計画です。 URL:http://www.rinya.maff.go.jp/tohoku/index.html から    又は http://www.rinya.maff.go.jp/tohoku/pdf/jisshikeikaku.pdf から ====================================== ☆ 事務局から ======================================  5月8,9日(土,日)の両日,東京・日比谷公園で第21回森と花の祭典「みどりの 感謝祭」が開催されました。毎年4月15日から5月14日までのみどりの月間に実施さ れる各種緑化行事の締めくくりとして開催されるものです。  初日の8日に行われた式典では,祭典の名誉総裁である秋篠宮殿下・同妃殿下のご臨席 のもと,衆参両院の議長等からみどりの文化賞の顕彰,苗木と花の特別贈呈,山火事予防 ポスター入賞作品の表彰等が行われました。  会場では,樹木や花の苗木がプレゼントされたほか,併催行事として「森林の市」が開 催され,全国各地の市町村,会社,国有林,各種団体等の出店等があり,森林や山の幸を はじめとして,展示・即売,実演・体験活動等が行われました。  また,和太鼓の演奏や緑のオークションなどのアトラクションも行われ,天候にも恵ま れて2日間で約2万人の来場者が新緑の公園で楽しいひとときを過ごしました。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ☆☆☆ご投稿等はE-mail:feenet_info@shinrinreku.jpまでお寄せください。 [編集発行]  〒112-0004 東京都文京区後楽1-7-12 林友ビル6F  社団法人 全国森林レクリエーション協会 森林環境教育ネットワーク事務局   TEL:03-5840-7471 FAX:03-5840-7472 E-mail:feenet_info@shinrinreku.jp   URL:http://www.shinrinreku.jp/feenet/index.html 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★          伝えたい木の文化 残したい美しい森     「美しい森林づくり」推進国民運動への参加・協力をお願いします。        ☆「美しい森林づくり」推進国民運動ホームページ☆          http://www.rinya.maff.go.jp/utsukushiimoridukuri.html        ☆美しい森林づくり全国推進会議ホームページ☆          http://www.b-forest.org/ ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★