◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆   森林環境教育ネットワークメールマガジン 第88号 (平成24年6月25日) ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ( 目 次 )  1 <林野庁プレスリリースから> 「みどりのきずな再生プロジェクト」について  2 <コラム> 森林環境教育の現場から(29)  3 <アドバイス54> 地球環境史の中の森林の変遷(2/2)  4 <関連用語> 水源の森百選  5 <樹木のことなど09> アジサイの花の色  6 <イベント情報>    ◆館山野鳥の森のイベント情報(館山野鳥の森管理事務所)    ◆シンポジウム「森・川・海のつながりを考える」(同実行委員会)    ◆高尾で植物観察と草木染め(関東森林管理局 高尾森林センター)    ◆夏休み子ども樹木博士と木工教室(関東森林管理局 高尾森林センター)    ◆公開講演会「丹沢の野生動物と自然再生」(丹沢大山自然再生委員会)  ☆ 事務局から〜〜〜熱中症に注意しましょう 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 森で遊ぼう!! 森林環境教育ネットワークhttp://www.shinrinreku.jp/feenet/index.html 《メールマガジン・バックナンバーhttp://www.shinrinreku.jp/feenet/php4/mlbk/index.php》 《イベント情報の登録・閲覧http://www.shinrinreku.jp/feenet/einfo/》 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 <林野庁プレスリリースから> 「みどりのきずな再生プロジェクト」について ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  林野庁は、東日本大震災により被災した海岸防災林の再生について、「『みどりのき ずな』再生プロジェクト」として推進することとし、NPO、企業等の民間団体による協力 も得ながら植栽等を進めることとしています。 ◆「みどりのきずな再生プロジェクト」構想  野田佳彦内閣総理大臣は、平成24年4月23日、「『みどりのきずな』再生プロジェクト」 構想として、ガレキを再生・利用し、地域に安全と安心を与える海岸防災林を復旧・再 生するプロジェクトを推進していくことを発表しました。 ◆林野庁の取組  林野庁は、「みどりのきずな再生プロジェクト」構想に基づき、準備の整った箇所か ら順次手続きを進め、被災延長約140kmのうち、今年度中に約50kmについて海岸防災林の 再生に着手します。その際には、分別、無害化され安全性が確認されたガレキの再生資 材も活用しながら樹木の生育基盤を造成した上で、地域の自然条件等を踏まえつつ、NPO、 企業等による協力も得ながら植栽等を進めます。  今後、地域の復興計画等と整合を図りつつ、概ね5年で盛土等生育基盤を造成し、その 造成が完了した箇所から順次植栽を行い、概ね10年で植栽を完了する計画としています。 ◆現在までの取組状況  現在までに、青森県、千葉県等で海岸防災林の再生事業が開始されているほか、宮城 県仙台市若林区の国有林において生育基盤の造成工事に着手し、今後、他の被災箇所で も順次工事を進めます。  また、これまでに、NPO、企業等多数の民間団体から、植栽等の協力の申し出が寄せら れているところです。林野庁としては、このような皆様の申し出を踏まえ、民間団体と も連携を図りながら海岸防災林の再生を進めていく考えであり、平成25年春から、これ らの工事箇所の一部で植栽可能となる見込みです。 ◆詳細につきましては、次のURLを開いてご覧ください。  URL:http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/saigai/120528.html  ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2 <コラム> 森林環境教育の現場から(29) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  武蔵野公園(東京都府中市)で小学生と観察をしました。この日のテーマは、「身近 な自然にふれよう」です。といっても観察するものを限定しないで、目の前に現れるも のを観察していく自然体です。  まず森の中で盛り上がった土を見つけました。「えっなに?」、子どもたちはモグラ の存在を知りませんでした。当然、実物を見たことがある者は一人もいません。  そこで、モグラの生活について話をすると、「へ〜モグラには朝も昼もなんだ!」と 土の中の暮らしに関心していました。でも、そのあとの行動は、棒を持ってきてトンネ ルをツンツン・・・正しい子どもの姿かもしれません。  次に目についたものはタケニグサ、そのベルベットタッチの手触りを楽しみました。 ここで水玉遊び、水滴を葉に垂らして転がすと、美しい水玉がくるくる葉の上を動きま す。一通り遊ばせた後、「なんでこうなるの?」、この質問に「毛があるから〜」、即 答です。まずは体験ですね!  そして、野川沿いの道でクワの実発見。「えっ食べられるの?」と不安そうな子ども たち。自然から採取して食べる経験がないから無理もありません。  そこで柳原が毒見?、その後チャレンジャーの子が食べて「おいしぃ〜」。この言葉 に反応した子ども達の手がクワの樹に集中、まるで千手観音状態です!  今日も、自然からの素敵なプレゼントをいただき満足でした。                       (森林インストラクター 柳原 高文) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3 <アドバイス54> 地球環境史の中の森林の変遷(2/2) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― (前号からの続き)  その後、イチョウ、ソテツ、マツやスギに代表される針葉樹など裸子植物が進化して きます。この時点で、森林は、陸上の生態系の中で最大のものとなったといわれていま す。特に、針葉樹は、三畳紀からジュラ紀にかけて繁茂し、針葉樹の時代が続くことに なりました。  そして、1億年前、恐竜が活躍した白亜紀の中頃に、熱帯地方を中心に被子植物が出現 したといわれます。被子植物の繁殖には、昆虫や鳥などの助けが必要です。そこで動物 や微生物との共進化が起こり、いわゆる生物の多様性が始まることになりました。  被子植物は第三紀以降ますます多様化し、今日では、現存する維管束植物種の96%が 被子植物であるといわれます。また、熱帯林が生物多様性の観点から重視されるのは、 熱帯林が被子植物の宝庫であり、被子植物や鳥や昆虫や微生物などが共存して極めて複 雑な生態系を形成し、多様な生物種や遺伝子を保存しているからです。  第四紀に入ると地球の気温は急激に低下していきます。そして、大陸は何度も氷河に 襲われることになりました。そのたびに森林の分布は縮小拡大をくり返し、亜寒帯林を 発達させるとともに、次第に現在の森林分布へと近づいたといわれています。  以上のような森林の歴史は、森林の地質学的遷移とも呼ばれ、地球の温度や大気環境 など、地球環境の形成に密接に関わってきたのです。このことが森林の本質的な重要性 であるといわれています。            (「森林体験活動のガイド―森林環境教育のすすめ―」から) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4 <関連用語> 水源の森百選 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  毎日安心して水を使えることができたり、大雨や台風といった様々な災害から生命・ 財産が守られていることは、森林の働きによるところが大であるとともに、森林には、 心身を癒し、快適な気持ちにさせてくれる働きなどもあります。安全で住み良い国土を 創造し、維持していくためには、森林の役割を欠くことはできません。  こうした森林の役割を紹介し、理解を深めることなどのために、林野庁では、水を仲 立ちとして森林と人との理想的な関係がつくられているなどの代表的な森について「水 源の森百選」として選定することとし、平成6年12月から筒井東京大学名誉教授を座長と する10名の学識者からなる委員会により検討を進め、平成7年7月に取りまとめました。  「水源の森」百選は全国の47都道府県全てから選定されており、いずれも昔から水を 得るために森林を守り、育て、また、水と一体になった森林空間の利用施設を整備する など、森林所有者はもとより地域住民の努力のもとに維持されてきた森林です。 [URL] http://www.rinya.maff.go.jp/j/suigen/hyakusen/index.html  ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 5 <樹木のことなど09> アジサイの花の色 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  アジサイはうっとうしい梅雨の頃に、青紫色の美しい花を咲かせ、明るい気持ちにさ せてくれる代表的な花です。  アジサイを植えたら花が赤紫色になったとか、紫色になったとよくいわれますが、こ れには土壌の酸度が影響しています。アジサイの花の色は、酸性土壌では青みが強くな り、アルカリ性土壌では紅色に変わるからです。  あざやかな青紫色の花を咲かせたければ、春先、芽の出る時期に、焼ミョウバン(硫 酸カリウム・アルミニウム)を根元の周囲に適量(300〜400g)すき込むとよいといわれ ています。         (子ども樹木博士ニュース「質問コーナー(堀内孝雄先生)」から) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 6 <イベント情報>   ◆館山野鳥の森のイベント情報(館山野鳥の森管理事務所)   ◆シンポジウム「森・川・海のつながりを考える」(同実行委員会)   ◆高尾で植物観察と草木染め(関東森林管理局 高尾森林センター)   ◆夏休み子ども樹木博士と木工教室(関東森林管理局 高尾森林センター)   ◆公開講演会「丹沢の野生動物と自然再生」(丹沢大山自然再生委員会) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 本ネットワークの「イベント情報」(http://www.shinrinreku.jp/feenet/einfo/)にご 登録いただいたイベントや事務局にご連絡いただいた情報等の中から紹介します。――― ◆館山野鳥の森のイベント情報(主催:館山野鳥の森管理事務所)  (開催場所)千葉県立館山野鳥の森        交通:JR内房線館山駅からJRバス安房神戸廻り白浜行きで20分           「安房神社前」下車徒歩7分 ◇手打ちうどん作り  家庭でもできるうどん作りと、竹を使った箸を作ります。  [開催日] 平成24年7月7日(土)  [参加費] 800円  [応募等] 下記の問合せ先の電話で受付(7月6日(金)まで) ◇動物やパズルを作ろう  電動糸鋸機械を使って、動物の切抜きやパズルを作ろう。  [開催日] 平成24年7月21日(土)  [参加費] 1,000円  [応募等] 下記の問合せ先の電話で受付(7月20日(金)まで) 【問合せ先】 館山野鳥の森管理事務所(千葉県館山市大神宮553)        TEL:0470-28-0166 FAX:0470-28-0187        E-mail:kumazawa@welcomechiba.jp        URL:http://www.chiba-forest.jp/yachou/ ◆シンポジウム「森・川・海のつながりを考える」  「森は海の恋人」といわれるように、豊かな森が豊かな漁場の保全に寄与しており、 漁民の森づくり活動や、水産庁と林野庁の連携による漁場環境の保全に資する施策が実 施され、漁場環境の改善や間伐の促進等が図られているところであり、森・川・海のつ ながりを考えるシンポジウムを開催します。(主催:シンポジウム「森・川・海のつな がりを考える」実行委員会) ◇日時 平成24年7月12日(木) 13:00〜16:30(受付開始12:00) ◇会場 木材会館(東京都江東区新木場) 新木場駅徒歩2分 ◇参加 定員300名・参加費無料 ◇プログラム [話題提供](13:00〜)  「森は海の恋人」畠山重篤(NPO法人森は海の恋人理事長)  「お魚殖やす植樹運動」平賀由喜子(北海道漁業協同組合女性部連絡協議会会長)  「河川環境維持の取組」秋山雄司(静岡県天竜川漁業協同組合長)  「水源地域の森林整備」大久保憲一(長野県根羽村村長)  「美しい日本の森林を守る木材増殖礁」本所稔基(福井県れいなん森林組合施業計画課長)  「木製魚礁の整備」伊良部善久((株)海中景観研究所代表取締役) [パネルディスカッション](15:00〜)  上記の話題提供者及び太田猛彦(東京大学名誉教授)、古久保英嗣(林野庁森林整備  部長)、橋本牧(水産庁漁港漁場整備部長) ◇申込方法等の詳細につきましては、次のURLを開いてご覧ください。  URL:http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/suigen/120613.html  ◆高尾で植物観察と草木染め  私たちの周りで見かけられる草花や木の葉、実は、豊かな色彩の素を含んでいます。 高尾の林間を散策しながら樹木や花を観察し、植物の性質を学びます。午後は草木染め でバンダナとエコバッグの染めを行います。初歩から応用まで基本技法の習得を一緒に 体験しませんか。(主催:関東森林管理局 高尾森林センター/実施:森林インストラク ター東京会) ◇日時 平成24年7月28日(土) 9:30〜15:30 ◇場所 高尾森林センター(TEL:042-663-6689)(京王線高尾山口駅下車徒歩5分) ◇募集 30名(大人対象、応募多数の場合は抽選) ◇申込みなど詳細につきましては、次のURLを開いてご覧ください。  URL:http://www.rinya.maff.go.jp/kanto/takao/index.html →最新情報 ◇問合せ先  森林インストラクター東京会(小保方恒雄:090-3803-1731)  E-mail:tsuneo.obokata@jcom..l  ◆公開講演会「丹沢の野生動物と自然再生」(主催:丹沢大山自然再生委員会) ◇テーマ  「シカの増える森・クマの棲めない森」    講師:羽澄俊裕((株)野生動物保護管理事務所 所長)  「野生動物の被害と自然再生」    講師:羽山伸一(日本獣医生命科学大学 教授)  「野生動物との共存に向けて」    講師:羽太博樹(神奈川県自然環境保全センター 野生生物課長) ◇日時 平成24年8月4日(土) 15:00〜17:00(開場14:30) ◇場所 横浜ビジネスパーク・ウェストタワー7F     (横浜市保土ヶ谷区神戸町134  相鉄線「天王町駅」から徒歩4分) ◇申込方法(事前申込制・先着80名)  参加を希望される方は「お名前」と「ご連絡先(住所又はメールアドレス)」を次の  申込先(問合せ先)までお知らせください。  申込先(問合せ先) TEL/FAX:0467-33-2651 E-メール:ykonohira@yahoo.co.jp ====================================== ☆ 事務局から〜〜〜熱中症に注意しましょう ======================================  先週の台風4号の到来から蒸し暑さが増してきたように感じます。  毎年のことですが、特に野外での活動に当たっては熱中症への注意が必要です。  以下、参考までに、昨年本メルマガに掲載された熱中症に関する記事を再度紹介しま す。  熱中症は高温や高湿の環境下で起こる全身の熱障害で、その症状により「熱痙攣」、 「熱疲 労」、そして体温調節機能障害を伴う「熱射病」に分けられます。 ◆熱痙攣  炎天下など高温の環境下で作業や運動をした時などに起こり、痛みを伴った筋肉の痙 攣で、吐き気や腹痛を伴います。大量の発汗があるのに水分を補給しなかったり、塩分 を含まない水分のみを補給した時に起こり、体温の上昇はあってもわずかです。 ◆熱疲労  高温の環境下、特に蒸し暑いところで、疲労感、頭痛、めまい、吐き気などの症状が 認められます。大量の発汗による脱水症状であり、汗の蒸発による熱放散が不足するた め体温は上昇します。熱射病の前段階です。 ◆熱射病  高温の環境下で体温調節機能が破綻した状態です。異常な体温の上昇と興奮、錯乱、 痙攣、昏睡などの意識障害が特徴です。発汗の停止によって皮膚は乾燥し、手当が遅れ ればショックや細胞・臓器障害に陥り、死亡することもあるので一刻も早く医療機関へ 搬送します。 ◆熱中症の手当について ◇風通しがよく、暑くないところに運び、衣類をゆるめ、水平位又は上半身をやや高め  に寝かせます。顔面が蒼白で脈が弱い時には、足を高くした体位にします。 ◇意識があり、吐き気や嘔吐などがなければ、冷たい水やスポーツ飲料などを飲ませる  とともに塩分を摂らせます。 ◇体温が高い時には、水で全身の皮膚をぬらし、あおいで風を送り体温を下げます。 ◇皮膚が冷たかったり、震えがある時には、乾いたタオルなどで皮膚をマッサージしま  す。 ◇意識がない時には、回復体位をとらせ、一刻も早く医療機関へ搬送します。 ◆熱中症の防止について  熱中症の原因は、高温環境だけではありません。衣類の不適、疲労、睡眠不足、肥満、 慢性疾患、薬剤服用などが誘引となります。特に子どもや高齢者、アルコール摂取者は 注意が必要です。  炎天下での長時間の作業や運動、通気や換気の悪い部屋での労働、多人数の集会など では、次のような予防策を考えておく必要があります。 ◇吸湿性、通気性のよい身軽な衣類を着用する。 ◇休養や水分の補給を適度に行い、同時に塩分を含んだ水分も補給しておく。 ◇直射日光下では、必ず帽子をかぶる。 ◇通風や換気に対する配慮など環境改善に努める。 ◇子どもや高齢者を炎天下、車中、暑い室内などに残さないよう注意する。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ☆☆☆ご投稿等はE-mail:feenet_info@shinrinreku.jpまでお寄せください。 [編集発行]  〒112-0004 東京都文京区後楽1-7-12 林友ビル6F  一般社団法人 全国森林レクリエーション協会 森林環境教育ネットワーク事務局  TEL:03-5840-7471 FAX:03-5840-7472 E-mail:feenet_info@shinrinreku.jp  URL:http://www.shinrinreku.jp/feenet/index.html 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆