◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆   森林環境教育ネットワークメールマガジン 第92号 (平成24年9月25日) ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ( 目 次 )  1 <林野庁プレスリリースから> 平成23年度の森林病害虫被害量について  2 <コラム> 森林環境教育の現場から(33)  3 <季節の言葉> 野生のきのこ  4 <樹木のことなど13> 木の年齢、年輪  5 <森林検定 EXERCISE:02> 都道府県の人工林面積と人工林率  6 <イベント情報>    ◆森の料理教室とクラフト体験(関東森林管理局 高尾森林センター)    ◆2012企画展「世界自然遺産小笠原諸島の森林生態系をまもる」特別講演                        ((独)森林総合研究所 多摩森林科学園)    ◆草花観察、花炭作り、そしてお楽しみ・・・(関東森林管理局 高尾森林センター)  ☆ 事務局から 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 森で遊ぼう!! 森林環境教育ネットワークhttp://www.shinrinreku.jp/feenet/index.html 《メールマガジン・バックナンバーhttp://www.shinrinreku.jp/feenet/php4/mlbk/index.php》 《イベント情報の登録・閲覧http://www.shinrinreku.jp/feenet/einfo/》 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 <林野庁プレスリリースから> 平成23年度の森林病害虫被害量について ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  わが国の森林病害虫による被害として最大である松くい虫被害と、近年急速に拡大し たナラ枯れ被害の発生について、林野庁において都道府県の状況が取りまとめられ、各 地域における被害対策の推進に当たっての参考として公表されました。(都道府県等か ら毎年度被害量の報告を受け、取りまとめられたものです。) ◆松くい虫被害について  松くい虫被害は、マツノマダラカミキリにより運ばれたマツノザイセンチュウがマツ の樹体内に侵入することにより発生するマツの伝染病(マツ材線虫病)によるものです。 ◇平成23年度の全国の松くい虫被害量は、一部の県で増加したことなどから前年度と比  較して約6万立方メートル増の約65万立方メートルで、被害量のピーク時である昭和54  年度の約1/4となっています。 ◇被害の発生地域は、2年ぶりに青森県での発生が確認されたため、北海道を除く46都府  県となっています。 ◆ナラ枯れ被害について  ナラ枯れ被害は、大量のカシノナガキクイムシがナラ・カシ類の幹に穴をあけてせん 入し、体に付着した病原菌(ナラ菌)を多量に樹体内に持ち込むことにより発生する樹 木の伝染病によるものです。 ◇平成23年度の全国のナラ枯れ被害量は、前年度と比較して半減し、約16万立方メート  ルとなりましたが、一部地域では被害が増加しています。 ◇被害が発生したのは29都府県であり、新たに被害が確認された県はなく、また平成22  年度に被害が発生した青森県において被害が見られなかったため、1県の減となってい  ます。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2 <コラム> 森林環境教育の現場から(33) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  小学校3年生、4年生と尾瀬ヶ原を歩いてきました。  鳩待峠から尾瀬ヶ原へのルートはブナ、ミズナラ、ネズコなどの大木がある森林ルー ト。大きなブナの樹の根元付近が曲がっている訳を話すと、「すご〜い」、「我慢強い!」 などしきりに感心していました。  ミズバショウが見られる場所では、ツキノワグマに警戒しながらクマよけの鐘を鳴ら し、「なんで、ここにやってくるの?」、「ミズバショウが踏み荒らされているよ!?」 完全にビビッています!  「ツキノワグマは毒をもっているミズバショウを食べておなかの中をきれいにするん だよ!」と説明すると、「なぜ?」と予想通りのつっこみ! 「毒を食べて下痢するんだ よ!!」、この回答に「え〜」なんか嬉しそう! 事実尾瀬ヶ原でツキノワグマと見ら れる「下痢便」を見つけてまた大喜び、怖いクマが身近に感じられたのかもしれません。  しかし、宿に帰ってからの絵日記を見ると、「クマの下痢便」を書いた子どもは誰も いませんでした・・・。やはり、絵日記の一番人気は「逆さ燧」、池塘に写る燧ケ岳の 景色を書いていました。  さすが現代っ子!大人からのリクエストを知っているかのごとき絵日記を書きあげて いました。その中で、根曲りブナの絵に「生命力に感動しました。」という絵日記を見 つけてうれしくなった柳原でした。                       (森林インストラクター 柳原 高文) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3 <季節の言葉> 野生のきのこ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  地球上に見られるきのこの種類は数万種とも言われています。日本は南北に細長く、 降水量に恵まれているため、亜熱帯から亜寒帯までの多くの種類が分布していますが、 これまでに名前のついている種類は約3,000種類で、全体のうちのごく一部と言われてい ます。  きのこは、その養分の吸収方法の違いによって、1) 腐生性きのこ:枯木や落ち葉など を分解して養分を吸収するもの、2) 菌根性きのこ:樹木の根などに菌根をつくり、樹木 と共生して養分を吸収し、その代替えとして樹木の養分の吸収を助けるものに大別され ます。 ◇腐生性きのこ:マイタケ、ウスヒラタケ、ナメコ、ブナハリタケなど ◇菌根性きのこ:マツタケ、ホンシメジ、チチタケ、コウタケなど  現在、人工栽培されているきのこは二十種類程度ですが、そのすべてが腐生性のきの こです。菌根性のきのこについては、ようやくホンシメジの人工栽培技術が開発された 段階にあります。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4 <樹木のことなど13> 木の年齢、年輪 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  木は地球上の生きものの中で最も長く生きる生物です。よく「鶴は千年、亀は万年」 といわれますが、どうやらツルは最高80年くらい、動物で最も寿命の長いゾウガメでも 150〜200年くらいしか生きないそうです。  こうした動物に比べると木の寿命は長く、特に日本のスギは長命の木といわれ、社寺 林などで400年、600年あるいは800年といわれるものを見ます。実際、屋久島には樹齢 7,200年といわれたこともある「縄文杉」あります。  この縄文杉の樹齢は、今では2,170年と推定されています。また、屋久島には、樹齢 3,000年といわれる「大王杉」があります。ヤクスギの中でも、この木が日本国内の木と しても最高の年齢の木となっています。  なお、世界中で最も老齢な木は、北アメリカ・ネバダ州で発見されたイガソヨウマツ で、切って調べたら年輪が4,844あったといわれます。日本の主な樹種の長寿の記録は、 針葉樹では前述の大王杉3,000年、ヒノキ1,065年、ハリモミ800年、アカエゾマツ586年、 コメツガ550年、広葉樹ではブナ435年、ミズナラ444年、サカキ353年、ダケカンバ270年 などとなっています。  樹木を輪切りにすると、中心を同じくする色の濃い輪になった筋が何本も見えます。 この筋が年輪です。年輪は毎年1本ずつできるので、この数を数えると樹木の年齢がわ かります。  日本では、樹木は春から秋にかけて生長しますが、春から夏は生長が早く、形の大き い薄い膜の細胞ができます。一方、夏から秋にかけては、小さくて膜の厚い細胞ができ、 やがて冬になると生長が止まります。  春から夏にできた部分(早材)は淡い色に見え、夏から秋にできた部分(晩材)は色 の濃い筋に見えます。そして、これが毎年繰り返されて年輪ができます。なお、四季の 変化の少ない熱帯地方の樹木は、一年中同じように生長するので年輪はできません。         (子ども樹木博士ニュース「質問コーナー(堀内孝雄先生)」から) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 5 <森林検定 EXERCISE:02> 都道府県の人工林面積と人工林率 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  わが国の人工林面積は約10百万haで、森林面積(約25百万ha)の41%(人工林率)を 占めています。それでは次の都道府県について、人工林面積の大きいところから、また、 人工林率の高いところから、それぞれ順番に3番目まで並べてください。 北海道 岩手県 福島県 長野県 愛知県 兵庫県 島根県 高知県 佐賀県 宮崎県 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 6 <イベント情報>   ◆森の料理教室とクラフト体験(関東森林管理局 高尾森林センター)   ◆2012企画展「世界自然遺産小笠原諸島の森林生態系をまもる」特別講演                       ((独)森林総合研究所 多摩森林科学園)   ◆草花観察、花炭作り、そしてお楽しみ・・・(関東森林管理局 高尾森林センター) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 本ネットワークの「イベント情報」(http://www.shinrinreku.jp/feenet/einfo/)にご 登録いただいたイベントや事務局にご連絡いただいた情報等の中から紹介します。――― ◆森の料理教室とクラフト体験  実りの秋。高尾山の自然の恵みを目と舌で味わおう。  大人は乾シイタケを使った料理教室、子どもはドングリやマツボックリなど使ったク ラフト体験をします。また、親子で森を散策し、高尾山の自然を観察します。(主催: 関東森林管理局 高尾森林センター) ◇日時等 平成24年10月20日(土) 9:00〜15:00頃 ◇場 所 高尾森林センター ◇定員等 50名(親子、応募者多数の場合は抽選) ◇参加費 1人500円(交通費は各自負担) ◇申込みなどの詳細につきましては、次のURLを開いてご覧ください。  URL:http://www.rinya.maff.go.jp/kanto/takao/index.html →最新情報 ◆2012企画展「世界自然遺産小笠原諸島の森林生態系をまもる」特別講演                   (主催:(独)森林総合研究所 多摩森林科学園) ◇日時 2012年10月27日(土) 13:15〜16:00 ◇会場 多摩森林科学園・森の科学館2階セミナールーム ◇特別講演  第1話 生態系保全のために外来のクマネズミを根絶する      ―その苦労と絶大な効果―      講師:牧野俊一(森林総合研究所・研究コーディネータ)  第2話 鳥と、進化と、絶滅と―小笠原の生物のステキ―      講師:川上 和人(森林総合研究所・鳥獣生態研究室主任研究員) ◇定員等 40名 ◇申込み方法等につきましては、次のURLを開いてご覧ください。  URL:http://www.ffpri.affrc.go.jp/tmk/ ◆草花観察、花炭作り、そしてお楽しみ・・・  日影沢で秋の草花を観察したあと、午後は木の実や小枝など自然の素材を飾り炭にす る「花炭」作りを体験します。炭が焼ける間に、ほくほくの焼き芋(種子島産 安納こが ね)も焼き上がります!・・・完成した花炭はお土産にお持ち帰りください・・・(主 催:関東森林管理局高尾森林センター/実施:森林インストラクター東京会) ◇日時等 平成24年10月28日(日) 日影沢      集合:京王線・JR線高尾駅北口 9:00      解散:会場広場 15:10頃      ※小雨実施。荒天中止の場合は前日に連絡致します。 ◇定員等 30名(高校生以上、応募者多数の場合は抽選) ◇参加費 2,000円/人(材料費込み。) (別途日影沢までのバス代がかかります。) ◇申込みなどの詳細につきましては、次のURLを開いてご覧ください。  URL:http://www.rinya.maff.go.jp/kanto/takao/index.html →最新情報 ====================================== ☆ 事務局から ======================================  先週の日曜日、9月16日に、平成24年度の森林インストラクターの資格試験(一次試験) が実施されました。大型の台風が沖縄県の近辺にあって九州の西側に近づいているとい う状況でしたが、全国6会場ともトラブルもなく実施されたとのことでした。  受験された皆さんには、遠路、また早朝からお疲れ様でした。この一次試験の結果は 10月末頃には受験された皆さんに連絡され、二次試験は11月17日(土)・18日(日)に 東京で実施されます。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (森林検定EXERCISE:02の解答)  人工林面積 1)北海道(151万ha) 2)岩手県(50万ha) 3)長野県(45万ha)  人工林率  1)佐賀県(67%)    2)高知県(65%)   3)愛知県(64%)  ※因みに、人工林面積の大きい都道府県の順番は前回の森林面積の大きい順番と同じ   でした。また、人工林面積の大きい北海道の人工林率は27%、岩手県は43%、長野   県は42%です。  ※人工林面積が最も小さい都道府県は沖縄県12千haで、人工林率が最も低いのも沖縄   県12%です。  ※森林面積が最も小さい大阪府は人工林面積28千ha、人工林率49%です。また、東京   都は35千ha、44%です。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ☆☆☆ご投稿等はE-mail:feenet_info@shinrinreku.jpまでお寄せください。 [編集発行]  〒112-0004 東京都文京区後楽1-7-12 林友ビル6F  一般社団法人 全国森林レクリエーション協会 森林環境教育ネットワーク事務局  TEL:03-5840-7471 FAX:03-5840-7472 E-mail:feenet_info@shinrinreku.jp  URL:http://www.shinrinreku.jp/feenet/index.html 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆